2017 Fiscal Year Research-status Report
サッカーゴールキーパーのダイビング動作分析からみるパフォーマンス向上の要素の解明
Project/Area Number |
16K16543
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松倉 啓太 同志社大学, スポーツ健康科学部, 助教 (80648676)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | サッカー / ゴールキーパー / ダイビング / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,サッカーにおけるゴールキーパー(GK)のダイビング動作を対象に,ボールの高さ・距離の違いに伴う,ダイビング技術の力発揮メカニズムを分析する事を目的の一つとしている. 近年のサッカーでは得点になったシュートの55%が,ゴールラインから10ヤード以内の中央エリアから放たれており,失点数を減らしていくためには,GKの至近距離からのシュートに対応する能力が求められるといえる. そこで29年度は下記の3つの設定の下,ゴール中央の9.15m離れた位置から「Eurogoal1500」というキックマシーンを使用し,放出されたボールへGKが向かう際のダイビング動作を三次元動作分析装置VICON 20台を使用し撮影した.さらにGKの踏切位置には地面反力計2台を設置し,両脚によって発揮された地面反力を測定した.そしてGKからボールまでの距離を近・中・遠距離の3パタン(平均1.74m, 2.10m, 2.51m)に設定した際の比較検討を行った. それらデータより至近距離(9.15m)からのシュートに対して,GKは「ボール側の脚を構えていた位置よりも内側に踏み出す」ことで,体をボール方向へ傾けるまでの時間を短縮し,離地するという動作(Quick diving)の特徴が確認された.Quick divingでは,申請者らがこれまでの動作分析において対象としていた動作と比較して,ボール方向への重心移動は少ないものの,踏切に要する時間が短縮されていたことが確認された.その際の地面反力の発揮方向を見ると,ボール側の脚においては,ほぼ同一方向に力が発揮されており,このことが踏切に要する時間が短縮に貢献していたと考えられる. 本結果は,GKのダイビング動作の研究としては数少ない実際に飛来してくるボールへの動作を分析したものとして,現代サッカーのGKトレーニングに対しての有意義な示唆を行う結果であると考える.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
投稿した論文が、採択されなかったため、再度校正を行い再投稿の準備を進めたため、当初の予定よりも遅れてしまっている。 今後発表予定の論文も、投稿した論文の結果を基に論を進める予定であったため、投稿が送れてしまっている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
一年間の期間延長を行ったため、今後は昨年度学会発表した内容に加え、既にデータを収集しているものの分析を進め、年度内の投稿のための執筆作業を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
論文投稿に伴う、英文翻訳・校正に関わる費用が今年度も必要になったことと、関連学会への参加に伴う費用を計上した。
|