2020 Fiscal Year Research-status Report
体操競技者の技認知における脳内および視覚メカニズムの解明
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16K16548
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
五藤 佳奈 武庫川女子大学短期大学部, 健康・スポーツ学科, 講師 (20469282)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知 / 熟達差 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まず始めに運動の認知に関する熟達程度の検討として、熟達の程度が異なる4条件を設定し、審判員・熟練者・中級者・初心者が観察経験と遂行経験による運動認知の正確性の違いについて、論文としてまとめる作業を行った。光点を遮蔽することは必然的に知覚パフォーマンスを低下させる。しかし、今回の結果は、審判員や熟練者では情報の制限を行っても高い水準で運動の認知が可能であったことが示唆された。これらは、競技経験の積み重ねにより運動の識別の精度が高まり、運動のあらゆる局面において動きを正確に捉えることが可能であるため、運動の認知に影響を与えたのではないかと思われる。現在は論文を投稿している状態である。 次に、研究2では、光点表示映像の観察による運動補完を運動野の興奮性により検証することが目的であった。この研究では、熟練者が運動を認知する際、ミラーシステムを賦活させることで見えない情報を補完しているという仮説を立てており、この仮説が正しければ運動観察中に運動野の興奮性が高まるはずである。そこで、経頭蓋磁気刺激法を用いて光点表示条件下の熟達度別の運動野の興奮性を比較検討した。実験に感しては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、社会情勢が良くないため、実験参加者を募ることができず、思うように実験を進めることができないのが実情である。その中でも、実験参加者を3群(各10名)募集し、20名分の実験が終了することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で社会情勢が良くないため、実験参加者を募ることができず、思うように実験を進めることができないのが実情である。今年度は2度の緊急事態宣言が発令されたため、実験予定期間と重なってしまい、実験に遅れが生じてしまっている。 今後の状況もなかなか掴めないが、いつでも実験を進められるように準備をしている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず始めに予定されている研究2の実験を完了させることである。 次に、研究課題(研究3)では、アイマークと経頭蓋磁気刺激装置の2つの実験機器を用いた実験を予定しているので、研究3の倫理審査計画書を作成し提出する。その後、この実験のためのプレ実験を実施し、最後の実験に取り掛かりたいと考えている。ただ、今後も急速に社会情勢が良くなるとも見込めないので、実験を進めるにあたっては、①コロナ対策を行う(実験者・被験者ともに手指消毒・検温、ならびに室内の換気、実験室に滞在する人数の制限など)②実験計画を変更するなど、時間的なゆとりをもって、取り組みたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面でのデータ収集が難しく、実験対象者を十分に集められず、実験が計画通りに進まなかったため、次年度使用額が生じた。今後は社会情勢を見つつ、計画的に研究および実験を行い、課題をまとめていく予定である。具体的な使用計画としては、実験3に係る被験者謝礼と実験3のデータ収集プログラム(業者依頼)である。
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