体操競技者の技認知における脳内および視覚メカニズムの解明

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K16548
• Research Institution: Mukogawa Women's University Junior College Division
• Principal Investigator: 五藤 佳奈 武庫川女子大学短期大学部, 健康・スポーツ学科, 講師 (20469282)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: 観察 / イメージ / 認知

Outline of Annual Research Achievements

令和3年度の研究実績としては、1つめの研究（課題１：運動の認知に関する熟達度の検討）を雑誌に投稿したが、5ヶ月のやり取りの結果、リジェクトになってしまったため、現在は論文を修正し、再投稿する予定で進めている。こちらの論文の再投稿は2022年6月までに行う予定である。（投稿予定：トレーニング科学）
次に、令和3年度は2つめの研究（課題２：光点表示映像の観察による運動補完を運動野の興奮生により検証）に関する実験（経頭蓋磁気刺激装置を用いた実験）を終了させることができた。コロナ禍のため、実験参加者を募ることに大変時間を要したが、感染症対策を十分に配慮したうえで、およそ30人の実験参加者に協力していただき、実験データを収集することができたことに感謝している。こちらのデータは、集計ならびに分析まで終了している。運動野の興奮は、呈示した運動に優れている者の方が運動野の興奮性が高いという仮説を立てており、初心者と熟練者と審判員を比較した結果、初心者よりも熟練者や審判員の方が運動野の興奮性が高いことが立証できた。このことは、本研究の中でも重要なデータとなるため、しっかり論文として仕上げていきたいと考えている。今後の予定としては、2022年度中に論文として仕上げて、投稿していく予定である。
さらに、3つ目の研究（課題３：熟達差による運動補完仮説を運動野の興奮生と視線行動により検証）に関する実験動画の作成とプレ実験が終わり、令和4年度の研究に向けて準備を進めることができた。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和３年度は、これまでの遅れを取り戻すように論文作成・実験・次の実験の準備とスピードを上げて取り組んできたが、実験を行うにあたり、コロナ禍の影響を受け実験を中断しなくてはならない期間があったため、全ての実験を終了させるのに、少し時間がかかってしまった。
すでに、補助事業期間の延長を申請しており承認されているので、次年度もしっかりスケジュールを立て、研究を進めていきたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度は研究3のアイマークを用いた実験に着手する予定で調整を進めている。7月頃までに実験を終了させて、データの収集を行いたいと考えている。
この研究を遂行する上での課題は、動画データが重いため、処理能力のあるパソコンを購入する必要があるが、コロナ禍の影響で半導体が入荷できず、実験の進度が遅れていかないか気になるところでもある。ただ、このハード面の問題は解決しなければ先に進めないので、パソコンの入荷を待つのみの状態になっている。
実験が終了すれば、直ちにデータを分析し、論文にまとめていく予定である。

Causes of Carryover

今年度はおおよそ予定通り実験を進めることができたが、コロナ禍の影響を受け、被験者の収集がうまくいかず、研究を２つ終わらせることができなかった。そのため、次年度使用額が生じた。
今後は、計画的に実験および分析を行い、課題をまとめていく予定である。