2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16555
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
鈴木 敦 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 契約研究員 (00734790)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 受傷アスリート / 気づき / 心理的成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前より、スポーツ傷害はアスリートの心理に対してネガティブな影響を与えることが主張されてきたが、近年はスポーツ傷害の持つポジティブな側面に注目されるようになってきた。そこでは、受傷後のアスリートは、技術の向上や筋力の増加といった身体的側面、自信やモチベーションの増加といった心理的側面、ソーシャルサポートの獲得やネットワークの拡大といった社会的側面での成長が見られることに言及されている(例えば、Waday et al.,2011)。しかし、これらの研究では受傷後のどのような体験が成長につながるのかを十分に説明してこなかった。そこで、本研究は、アスリートの受傷体験が心理的成長に与える影響を明らかにし、当該アスリートに対する心理支援方法の確立への示唆を得ることを目的とすることとした。 本研究では、質問紙調査による量的研究および心理相談事例や面接調査による質的な分析を行うことを予定しておあり、まず心理相談事例の分析を進めた。これまでに怪我をきっかけにアスリートが心理相談に来談し、複数回のセッションを継続した。その中で受傷アスリートは自分を見つめ直す機会を増やしていった。心理相談事例の分析を通して、受傷アスリートが心理的成長を果たすためには、自身の怪我を受け入れた上で、自身の身体や心理、社会的な役割など新たな側面に気づき、自身の役割や特徴を明確化していくことが必要だと考えられた。今後はアスリートの機密性を担保した上で、論文化を目指す予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
面接対象者が見つからず、面接調査を実施できていない。相談事例の分析や質問紙調査を進め、論文投稿または著書によって受傷アスリートの心理的成長について主張したいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
面接対象者の選定をするのと同時に、相談事例の分析や質問紙調査を推し進め、論文投稿や著書によって受傷アスリートの心理的成長について主張する。
|
Causes of Carryover |
面接調査対象者に支払う予定だった金額が使用できていない。調査対象者を見つけ、対象者に対する謝金、論文投稿費、学会等への参加費で使用する予定である。
|