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2016 Fiscal Year Research-status Report

温熱負荷による骨格筋適応メカニズムの解明とサルコペニア予防への応用

Research Project

Project/Area Number 16K16565
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

柿木 亮  順天堂大学, 医学部, 助教 (70614931)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords温熱負荷 / サルコペニア / 筋肥大 / ロイシン
Outline of Annual Research Achievements

熱ストレスは骨格筋の肥大を引き起こす要因の一つであるため、温熱負荷は高齢期におけるサルコペニアの対抗策として有用となる可能性がある。本研究は、温熱負荷による筋適応のメカニズムを分子生物学的に解明することと温熱負荷がサルコペニアを予防するか否かを明らかにすることを目的としている。
初年度は、主として高齢マウスを用いて、温熱負荷やロイシン摂取が骨格筋量および筋機能に及ぼす影響を検討した。C57BL/6雄性マウス(21ヶ月齢)をコントロール群(n=9)、温熱負荷群(n=7)、温熱負荷+ロイシン摂取群(n=9)に分類して、3ヶ月間飼育した。温熱は、41℃に設定したチャンバーの中にマウスを40分間滞在させることで負荷し、週2回の計24回実施した。ロイシンは、水に溶解(114mM)し、マウスに自由摂取させた。介入3ヶ月後に、マウスの下肢から長趾伸筋を摘出し、酸素化したKrebs溶液中で張力を測定した。脛骨長あたりのヒラメ筋、足底筋、腓腹筋、前脛骨筋、大腿四頭筋の筋重量は、コントロール群に比べて温熱負荷+ロイシン摂取群で有意に高値を示したが、温熱負荷単独では影響がなかった。電気刺激により発生した摘出長趾伸筋の断面積あたりの最大張力は、群間で有意な差は認められなかった。本研究の結果から、温熱負荷に筋のタンパク同化作用を促進するロイシン摂取を併用することで高齢期のマウスの筋量を増加させることが明らかとなった。今後は、筋横断面積や筋線維タイプを組織化学的に同定することと、筋タンパク質合成・分解のマーカーを分子生物学的手法により評価する予定である。
また、上記の実験と並行して、若齢マウスを用いて、温熱負荷によって活性化する細胞内情報伝達系の解析も進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

若齢マウスを対象に温熱負荷が筋タンパク質合成を調節する細胞内情報伝達系に及ぼす影響を明らかにする研究に着手したが、どの経路を介して調節されているかについては十分に明らかにすることができなかった。一方、初年度に予定よりも早く高齢マウスを準備することができたため、次年度以降に行う予定であったサルコペニアに対する温熱負荷の予防効果の検証に着手することができた。また、次年度以降に検討するC2C12細胞の培養実験系の準備は予定通り完了した。本研究全体からみるとおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、マウスおよびC2C12培養細胞を対象に、温熱負荷による筋タンパク質合成増加を調節している細胞内情報伝達経路を阻害剤を用いて同定する。また、サルコペニアに対する温熱負荷の効果に関しては、組織化学的および分子生物学的手法によって得られたデータを加え、研究成果の発表を行う。

Causes of Carryover

培養細胞に熱ストレスを与えるためにCO2インキュベータを購入する予定だったが、小型のCO2インキュベーターを確保することができたため物品費に次年度使用額が生じた。また、学内業務により国外学会に参加することができなかったため、旅費に次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度はマウスの購入費に加え、これまでに得られた筋サンプルを用いてタンパク質発現解析、遺伝子発現解析、組織化学的解析を高頻度で行っていくため、抗体やプライマーなど分析に必要な消耗品の購入に大部分の物品費を充てる。また、当初計画していなかった血液分析のためにELISAキットの購入も検討している。
次年度の研究成果発表は、国内外の学会で2回予定しており、繰り越した旅費も含めて学会参加費に充てる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Heat stress-induced phosphorylation of FoxO3a signaling in rat skeletal muscle.2016

    • Author(s)
      Yoshihara T, Kobayashi H, Kakigi R, Sugiura T, Naito H.
    • Journal Title

      Acta Physiol (Oxf).

      Volume: 218(3) Pages: 178-187

    • DOI

      10.1111/apha.12735

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2018-01-16  

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