2017 Fiscal Year Research-status Report
鼠径周辺部痛症候群の危険因子と発生メカニズムの解明-股関節機能に着目して-
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16K16566
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
佐保 泰明 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (90438036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鼠経周辺部痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではサッカー選手を対象として鼠径周辺部痛既往群とコントロール群のキック動作の解析を骨盤部の動き(前傾/後傾、側方傾斜、回旋)に着目して行った。キック動作はサッカーで多く用いられる3種類(インサイドキック、インステップキック、インフロントキック)とした。キック間の違いとして骨盤の前傾角度はインステップキックで最も大きかった。骨盤の側方傾斜はインフロントキックで変位量が最も大きかった。骨盤の回旋についてインフロントキックにおいて軸足方向の回旋が大きかった。インステップキックは骨盤の動きが他のキック動作と比較して小さかった。これらのことから骨盤の動きはキックで違いがあることが明らかになった。鼠径周辺部痛既往群とコントロール群の比較では既往群ではインステップキックにおいて動作全域において骨盤が後傾している傾向を示した。また既往群では非軸足方向への回旋が小さく、テイクバック時の骨盤回旋が小さく、骨盤の回旋が不十分である可能性が示された。これらのことから既往群はコントロール群と骨盤の運動がことなること、特に回旋が小さいことが明らかになり、これらが股関節など他の関節の代償動作が生じている可能性が示唆された。 その他に、グロインペインの疫学調査を継続するとともに、アライメント、関節可動域、柔軟性、股関節筋力、ファンクショナルテストを実施した。今後、各種テスト結果と疫学調査の関連を検討するとともに、キック動作とグロインペインとの関連性も調査する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
三次元動作解析の不具合が生じ、改善に時間を要したこと、解析方法の再検討により動作解析の研究に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
疫学調査の対象者に対して、キック動作および切り返し動作の三次元動作解析を進める。疫学調査の結果から、グロインペイン・鼠経周辺部痛発症者の有無によりキック動作および切り返し動作に違いがないか、特に骨盤の動作に着目して検討する。 対象者の身体機能(関節可動域、柔軟性、股関節筋力、ファンクショナルテスト)により発症に違いがないか検討し、発症リスクとなり得る因子を抽出する。抽出した項目がキック動作、切り返し動作といったサッカー特有動作に関連があるかについても検討する。関連が認められた場合にはリスクとなる可能性がある因子に対するトレーニングを検討するとともに、トレーニングにより関連動作が改善するか検討する。またリスクとなる因子を含むスクリーニングテストを検討する。
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Causes of Carryover |
旅費について研究計画の変更により、国際学会での研究報告を次年度に変更したため次年度使用額が生じている。 実験機材の不具合により実験計画が遅れており、動作解析関連の実験を次年度に行うため人件費において次年度使用額が生じている。
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Research Products
(4 results)