2017 Fiscal Year Research-status Report
高校保健教育における危険行動防止のための規範意識の育成を重視した授業モデルの開発
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16K16573
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
片岡 千恵 筑波大学, 体育系, 助教 (30642524)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 青少年危険行動 / 規範意識 / 授業 / 高校生 / 介入評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の平成29年度は,1年目に作成した高校生における危険行動防止のための規範意識の向上を目指した授業モデルについて,介入評価によりその効果を検討した。 そのためにまず,質問紙法による事前調査および事後調査の質問項目を検討した。作成した授業モデルのアウトカム評価として,規範意識尺度(上原千恵ら,2008)を用いた。また,実践した授業のプロセス評価として,質問紙調査の自由記述等により検討することとした。なお,事前調査においては,対象となった生徒の危険行動の状況について,野津有司ら(2006)による危険行動の代表的な9項目を用いた。さらに,質問紙調査において,対象者の倫理的配慮及び調査方法の統一を図るための調査マニュアルを作成した。なお,授業の実践及び質問紙調査の実施に当たっては,筑波大学体育系研究倫理委員会において審査を受け,承認を得た。 また,介入評価の対象校に協力の依頼をし,承諾を得た。本研究の対象は,公立の高等学校1校に在籍する2年生2クラスとした。 作成した2時間のモデル授業について,1時間目は平成29年12月18日に,2時間目は翌19日に実践された。事前調査は授業実践の前週に,事後調査は2時間目の授業実践の翌日に実施された。 得られたデータを分析した結果,本授業の内容は「わかりやすかった」,「興味を持てた」など肯定的な評価が得られた。また,授業では「考えたり,工夫したりできた」,「グループ学習に,積極的に取り組むことができた」など,作成した授業が意図通りに実践されたことがうかがわれた。また,授業の前後において,「学校における規範意識」が有意(p<0.05)に向上した。さらに,授業前後における規範意識について,テキストマイニングを用いて質的に検討した結果,規範意識の捉え方に深まりがみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,作成した2時間の授業モデルについて高校生を対象として実践し,その介入の事前および事後に質問紙調査を実施してデータを得た。また,得られたデータを分析し,授業モデルのプロセス評価,および対象の高校生における規範意識の変化について検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目(最終年度)の平成30年度には,まず,得られた結果から,作成した授業モデルの有効性について検討する。そして,その結果を学会発表および論文投稿により公表する。
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Causes of Carryover |
主として国内旅費が予定額より下回り,次年度使用額が生じた。この経費については,成果発表に係る旅費として使用する予定である。
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