2016 Fiscal Year Research-status Report
がん予防情報を効果的に創出・普及啓発するためのヘルスコミュニケーションの検討
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16K16580
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮脇 梨奈 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 研究助手 (80749028)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヘルスコミュニケーション / がん予防 / ヘルスプロモーション / 行動科学 / がん情報 / マスメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,がん予防情報を効果的に創出し,がん予防行動の意思決定を支援するヘルスコミュニケーション方策の検討を目的としている。 1年目である平成28年度は,我が国の新聞に掲載されたがん・がん予防記事を対象とした内容分析を行い,マスメディアによるがん・がん予防情報の発信状況を明らかにした。 具体的には,諸外国での先行研究を参考に検索語彙・抽出条件を決定し,その方法にて我が国の全国紙5紙(朝日,産経,日本経済,毎日,読売新聞)各社データベースより,がん関連記事を抽出し,掲出頻度を確認した。また,先行研究をふまえ作成したコード表を用いた分類により,罹患部位,がん局面(予防,検診,治療,予後,終末期など),記事創出に影響を与えたと考えられるトピック(社会問題,著名人,研究,企業,リスクなど)について内容分析を行った。 さらに,上記にて抽出されたがん関連記事のうち「予防,検診,リスク」の記載があった記事を対象に,より詳細に内容分析を行った。特に,がん予防記事に対しては,国立がん研究センターの示す人のがんにかかわる要因,生活習慣関連要因(喫煙,食物・栄養,飲酒,運動・身体活動,肥満)やその推奨基準の記載の有無について分析した。がん検診記事に対しては,がん検診部位,厚生労働省の指針が示す対象者,受診間隔の記載の有無,及びがん検診受診を促進する内容であるかを確認した。 いずれも内容分析は,研究代表者を含む評価者3名により予備調査を行った上で,評価が一致しないものについては議論し,分類方法の統一を図った。また本調査後には,評価者間信頼性も検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,我が国の新聞を対象とした調査及び内容分析を行った。また国内外の学術誌への論文投稿によりその成果を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究により我が国のマスメディアが発信するがん情報の中でもがん予防情報は少ないこと,また発信されている情報内容は十分とは言えず偏りがあることが確認された。マスメディアにおけるがん予防情報は,記者らにより創出され,発信される。そのため,2年目となる平成29年度は,記者らマスメディア関係者のがん予防情報に対する認識,がん予防情報を取り扱う理由(促進要因),扱わない理由(阻害要因)を確認し,がん予防情報の創出を増加させる方法,創出の阻害を解決する方法を検討する。 具体的には,1年目の結果もふまえ,がん予防記事を創出する記者,編集者などマスメディア関係者へのインタビュー調査を行い,マスメディアにおいてがん予防情報を創出することに影響を及ぼす要因を検討する。そのため,事前にインタビューガイドを作成し,それにもとづき,記者はじめマスメディア関係者のがん・がん予防情報に対する意識,今までに記事にしたがん予防内容とその理由,認識していても記事にしない理由などを1対1の半構造化インタビューにて収集する。 インタビュー後は,逐語録データを作成し、質的データを整理・集約する手法であるKJ法,及び質的分析ソフトウェア(NVivo)を用いて,がん予防記事の創出に必要な記者らの意識,記事創出を阻害している要因,及びその解決策を明らかにする。
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Causes of Carryover |
諸外国における先行研究をもとに調査方法を検討していた。しかし,我が国の新聞を対象とした際,詳細な対象記事の抽出方法の決定,及び分類コードの作成などに想定以上の時間・日数を要し,その後の作業に遅れが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度中に完了予定であった調査資料(新聞記事などの紙媒体及び電子データ)のファイリングなどを直ちに完了させる。そのための保存ファイル,データ記録媒体の購入,及びその作業補助を行う研究補助者への謝礼として使用する。 上記以外は,研究計画どおりの内容で進んでいるため,ほぼ計画通り使用していく。
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Research Products
(2 results)