2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and validation of physical activity intervention program for prevention of respiratory tract infection in community-dwelling older adults
Project/Area Number |
16K16601
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
上村 一貴 富山県立大学, 工学部, 講師 (50735404)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 上気道感染症 / 活動量計 / 生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、高齢者の呼吸器感染症予防を目的とした身体活動向上プログラムの開発と効果検証を行った。初年度は、活動量基準作成のための観察研究を行った。日常生活が自立した地域在住高齢者86名を対象に、客観的に評価した身体活動量と上気道感染症(風邪およびインフルエンザ)の発生を比較したところ、Ex(3Mets以上の活動時間×強度)が高いグループでは上気道感染症の発生割合が低かった。さらに、ROC解析により求めた、上気道感染症の発生に対する身体活動量(Ex)のカットオフ値は、11.8Mets・時/週であった。上気道感染症の予防には身体活動の量のみでなく強度にも注目する必要があり、特に中強度以上の活動を増やす必要があると考えられた。 最終年度は、観察研究の結果に基づいて、身体活動を向上するための行動変容プログラムを作成し、ランダム化比較試験のデザインを用いて、呼吸器感染症予防効果を検証した。対象は地域在住高齢者84名(平均71.9 歳、男性25名)とし、介入群と対照群にランダムに割付した。介入群には、週1回90分、24週間の教室型の行動変容介入を実施した。教室では、ゴール設定、フィードバックのような行動変容技法を取り入れ、特に中強度以上の身体活動向上を促した。分散分析の結果、平均歩数、Ex, 運動に対するセルフエフィカシー尺度、運動に関する行動的スキル尺度、歩行速度、TUGについて有意な交互作用がみられ、介入群で改善していた(p<0.05)。さらに、介入群(発生者数:1名, 発生割合:2.5%)に比較して対照群(発生者数:6名, 発生割合:15.4%)で期間中におけるインフルエンザの発生割合が低かった(p<0.05)。本研究の結果より、中強度以上の身体活動を促進する行動変容プログラムにより、高齢者の上気道感染を予防可能であることが示唆された。
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Research Products
(11 results)