2016 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病抵抗性遺伝子の同定とその機能解析 -末期腎不全の予防へ向けて-
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16K16606
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐々木 隼人 北里大学, 獣医学部, 助教 (20768048)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンジェニック解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
<足細胞傷害抵抗性> 足細胞傷害抵抗性遺伝子領域をB6マウス由来に持つICGNコンジェニックマウスから、遠位部分でB6由来の染色体断片を持つサブコンジェニック系統を得た。
<尿細管間質傷害抵抗性> 尿細管間質傷害抵抗性遺伝子領域をB6マウス由来に持つICGNコンジェニックマウスとICGNマウスの腎臓を12週齢にて採取し、RNAの発現レベルの比較から、候補遺伝子を1つ見出した。腎臓の組織免疫染色では、傷害のある尿細管上皮において候補遺伝子の発現低下が見られた。初代培養尿細管上皮細胞を用いたノックダウン実験では、候補遺伝子をターゲットにするsiRNAを導入した細胞で、間葉系マーカーであるα-SMAの発現が上昇した。以上のことから、傷害を受けた尿細管上皮細胞で候補遺伝子の発現が低下することにより、上皮間葉転換が誘導され、腎線維化が進行すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
足細胞傷害抵抗性については、繁殖不良、望ましい組み換え個体が得られないために、サブコンジェニック系統の作出が遅れている。尿細管間質傷害抵抗性については、現在、候補遺伝子のノックアウトマウスに作出に取りかかっており、計画はおおむね順調に進展している。
以上を総合的に判断して「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
<足細胞傷害抵抗性> サブコンジェニック系統の作出を進める。それと同時に、感受性マウスと抵抗性マウスの糸球体においてRNA-seqを行い、発現比較解析により候補遺伝子を絞り込む。
<尿細管間質傷害抵抗性> 候補遺伝子のノックアウトマウスを作出し、表現型解析を行う。
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Causes of Carryover |
足細胞傷害抵抗性の研究において、サブコンジェニック系統の作出が遅れており、表現型解析および発現解析用の物品費が生じなかったため。尿細管間質傷害抵抗性の研究において、既に次年度の計画に着手しているため。結果として、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由により、使用計画に変更は無い。ただし、足細胞傷害抵抗性の研究において、発現解析を次世代シークエンス解析によって行い、サブコンジェニック解析と同時進行する。
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