2016 Fiscal Year Research-status Report
都市部住民における高血圧発症要因としての腎機能と炎症マーカーの検討
Project/Area Number |
16K16618
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
西田 陽子 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員(研究員・PDクラス) (10770191)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 疫学 / コホート / 高血圧 / 腎機能 / 家庭血圧 / 炎症 / 高感度CRP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象者は、先端医療振興財団が行っている高血圧・脂質異常症・糖尿病の治療歴及び心血管疾患の既往がない神戸市一般住民を対象とした『神戸トライアル』の都市部住民コホート研究参加者である。平成22、23年度に1134人を対象にベースライン調査を行い、以降は2年を一巡として追跡調査を行っている。 平成28年度は、平成22年度参加者の6年目の調査を行った。調査の内容として、生活習慣に関する問診を聴取し、尿検査など腎機能に関わる検査、診察室血圧に加え家庭血圧測定、空腹時血圧検査も実施した。これらはベースライン時にも行っており、経年的な推移を検討することが可能である。平成28年度にはこれらのデータの取得を行った。 また、ベースライン調査のデータより、診察室血圧と家庭血圧の結果をもとに算出した高血圧の有病率は13.8%であった。腎機能の指標としてシスタチンCを用いてeGFRを算出したところ、対象者全員の平均値は88.8(最小値35.2、最大値147.9、単位ml/min/1.73~2)であった。これらの結果を元に追跡結果の検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の調査参加者は514名であり、平成29年度調査の準備も順調に進んでおり、80%を超える高い追跡率を維持している。コホート研究の追跡率としては十分であると考える。 各種臨床検査についても、調査時の診察室血圧のみでなく家庭血圧測定も順調に進んでおり、血液検査の測定もほぼ全員から採取している。以上より、本研究の進行度は「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の追跡調査では、平成23年度参加者の6年度の調査を主として、平成28年度不参加者へも参加を呼びかけ、調査を継続する。調査項目は、平成28年度と同様で、空腹時血液検査、尿検査、診察室血圧、家庭血圧、生活習慣等に関する問診を行う。 平成29年度は、調査と並行して、平成28年度の調査結果を集計し、データセット作成を進める。
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Causes of Carryover |
計画時点で予定していた人件費及びデータ入力費用の支出が不要もしくは延期となったため、実支出額は交付額を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ベースラインから6年目の追跡調査は平成28年度と29年度でコホート参加者を一巡するが、検査スケジュール上、検体測定の一部やデータ処理の内容によっては次年度に行う必要がある。研究費は、血液検体の検査料に用いるとともに、検査時に聴取した問診票は、研究メンバーによりデータクリーニングを行った上でデータ入力しデータベース作成そのデータ入力処理費用として支出を予定する。 他に、調査参加者への連絡に用いる通信費・広報費用に支出を予定する。
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