2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of communication in children's drawings.
Project/Area Number |
16K16625
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
山田 真世 福山市立大学, 教育学部, 講師 (20759162)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 描画 / 幼児期 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は文献のレビューと表現調整に影響を及ぼす要因の検討を行った。 文献のレビューについては,前年度と同様に理論的な背景やアプローチ方法について発達心理学を中心とした多様な領域の研究を検討し,三年間の研究結果に対する考察を行った。 表現調整に影響を及ぼす要因の検討については,幼児を対象とした実験の分析を行った。表現調整には他者からの見えや解釈を理解する他者の心的状態の理解が関連していると推測される。そこで,子どもが表そうとした絵の意味を目の前の他者が異なって解釈するという直接的なフィードバックを与えるミスコミュニケーション場面において,子どもが絵の表現をどのように変化させるかを検討した。この時,他者が異なった絵の解釈をするといったミスコミュニケーション場面が表現調整を促すことを確認するため,絵に関するミスコミュニケーションが生じる条件と絵に関するミスコミュニケーションが生じない条件を設定する。あわせて,ミスコミュニケーションが生じる条件において表現調整が生じる要因として,心的状態の理解をとりあげ関連を検討した。 各条件ともにコミュニケーションが生じる前とコミュニケーション後で描かれた絵を比較し,表現に相違があるかどうかを判断し,その内容を分類した。その後,絵に相違があると判断された場合において,コミュニケーション後の絵がコミュニケーション前に比べて,対象を表わす有効性を持つ表現の変化となっているかを判断した。結果,他者とのミスコミュニケーションが生じた後の描画において,対象についてのより詳細な情報を描き込む表現調整が生じていた。表現調整に対して,他者と自己の心的状態の理解との関連を検討したところ,他者信念の理解と表現調整の成績間に関連が見られた。
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