2020 Fiscal Year Research-status Report
保育園を通した親への子育て支援教室実施が子どもの発達に与える効果の検証
Project/Area Number |
16K16631
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
加藤 承彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 室長 (10711369)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 幼児教育・発達 / ペアレンティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、首都圏在住で未就学児の子どもを持つ親を対象とした子育て支援教室を構築および実施し、親の不安や育てにくさの解消を介して子どもの健全な成長を促進することを目的としている。過去4年間では、既存の子育て支援プログラム(Triple PやNobody's Perfect)の分析、母親への直接のインタビュー、政府統計を用いた乳幼児の親の現状の分析などを実施してきた。 2020年度は、4年計画を1年延長したことに伴い5年目にあたる。当初の計画では、子育て支援プログラムを夏頃に実施し、その評価および修正を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により実施できなかった。その一方で、政府統計の分析に関しては、感染拡大の影響を受けなかったため、引き続き実施した。その成果として、2016年の国民生活基礎調査のデータを用いた論文がJournal of Affective Disodersに掲載された。この分析では、5歳以下の子どもがいる世帯の母親を、ふたり親世帯とひとり親世帯および三世代同居のありなしで分けて、メンタルヘルスや生活の状況(喫煙、飲酒、睡眠などの生活習慣、頼れる人の有無や悩みの相談相手など)を比較した。その結果、三世代同居でないひとり親世帯の母親のメンタルヘルスの不調の割合が突出して高く、また喫煙や飲酒、短い睡眠時間、頼れる人がいない割合も高かった。また、現在、父親の育児参加に関する研究班に参加しており、こちらの研究班からも本研究への示唆を受けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
子育て支援教室の実施に関しては、新型コロナウイルス感染拡大のため、当初の計画を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスの感染状況および政府等の対応がどのように変化していくのか現時点では定かでないため、具体的な計画については未確定であるが、昨年に引き続き、支援教室の実施を目指したい。もし、今年度も実施が難しいようであれば、現在関わっている父親の育児参加の研究に統合するような形で今後、実施を目指すことも検討したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により研究計画の一部を実施できなかったため、その分の余剰が発生した。今年度における研究遂行のために用いる予定である。
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