2017 Fiscal Year Annual Research Report
Generation of hepatic progenitor cells from human hepatocytes using small molecules
Project/Area Number |
16K16643
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
勝田 毅 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (40732326)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒト肝細胞 / リプログラミング / CLiP / 高置換 / 肝前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず,初年度に見出した培養条件を基に,複数ドナー由来の乳幼児肝細胞を用いてヒトCLiP誘導実験の再現性を確認した.誘導したヒトCLiPは,一連の薬物代謝酵素CYP450の活性、およびその誘導能をもつことが確認できた.さらに,この細胞を慢性肝障害モデル動物に移植することで,高置換に至る個体が得られることも確認した.また,移植後に肝臓再生に寄与したヒト細胞をマウスキメラ肝臓から採取し,一連の薬物代謝酵素CYP450の活性を測定したところ,初代成熟ヒト肝細胞と同等の酵素活性を示すことも確認できた.また,移植前の細胞と移植後に取り出した細胞とを用いてマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析を行ったところ,肝機能に関わる遺伝子群の発現が顕著に上昇しており,移植細胞が生体内で成熟していることが確かめられた.なお,カリオタイピングを行った3ドナー由来のヒトCLiP全てにおいて核型以上は認められず(5-7継代時点で解析),細胞が正常な状態を維持していることが強く示唆された.
以上より,初年度からの成果をまとめると,本研究の主な成果は以下の通りとなる:(1)複数ドナーを使って,乳幼児肝細胞からヒトCLiPを誘導できた;(2)ヒトCLiPから分化誘導した肝細胞はCYP活性および,その誘導能を示した;(3)ヒトCLiPは慢性肝疾患モデルマウスの肝臓を高効率に置換し,移植後のキメラ肝臓から取り出したヒト肝細胞は初代成熟肝細胞と同等レベルの代謝能を示した;(4)ヒトCLiPは正常な核型解析を持ち,安全性の面で現在まで問題は見られていない.
一方,課題として残った項目は以下のとおりである:(1)長期培養したヒトCLiPの移植では十分な置換率を得ることができず,培養の長期化による細胞の質の低下が問題として判明した;(2)成人ヒト肝細胞からのヒトCLiPは現時点で達成できていない.
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Research Products
(10 results)