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2017 Fiscal Year Research-status Report

複数のエピジェネティクス解析を用いたコカイン感受性亢進責任遺伝子の同定

Research Project

Project/Area Number 16K16648
Research InstitutionKurume University

Principal Investigator

大西 陽子  久留米大学, 医学部, 助教 (70727586)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsコカイン / 転写因子 / 側坐核 / プロテオソーム / 依存症 / 行動実験 / マウス / AP-1
Outline of Annual Research Achievements

同じ快情動を刺激し続けることで、それが依存症につながっていくと考えられています。食欲、睡眠欲、性欲といった種の保存のための根源的な欲求から、趣味や好みといった軽い欲望まで快情動は欲望と密接な関係があります。その中で何を持って依存症というかは、社会的個人的損失を伴う場合ともいえるでしょう。もしくはその刺激が過度に強く、通常とは違う状態に脳が変化していっているというとらえ方もあります。事実、依存症の中には脳の中で直接、神経ペプチドの発現量を調節する薬物もあるからです。
我々はその中でもコカインに注目して研究しています。コカインは脳内で放出されたドーパミンの再取り込みを阻害することで脳内ドーパミン濃度を上げることが知られています。増えたドーパミンはドーパミン受容体を介して細胞を刺激して、次に反応を引き起こします。それが一連の依存症の症状につながっていると考えられています。とくにコカインに対する嗜好性が増強される行動と、コカイン連続投与で行動量が徐々に増えていくsensitizationの二つが指標として使われています。これらの行動の変化を引き起こす部位として、ドーパミンが放出される側坐核が注目されていました。我々はこの側坐核でコカイン投与により徐々に蓄積するdeltaFosBの研究を続けており、その結合蛋白質としてSug1を同定し、それがdeltaFosBとともにsensitizationを活性化することを見出しました。
しかし、一方でSug1は嗜好性には影響しないことも見出しました。嗜好性とsensitizationは連動している場合とそうでない場合があり、それらが別の機構で調節されている可能性が考えられますが、その詳細なメカニズムは分かっていません。
この嗜好性とsensitizationの解離について新しい知見を得つつあるので現在、その解析をしています。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

我々はSug1が、deltaFosBに結合するだけでなく、他にも複合体としてCBP/p300, Brg1などと結合することをin vitro, in vivoで見出しました。CBP/p300がヒストンアセチル化酵素として 転写を促進し、Brg1がヘリケース活性で染色体の絡みをほどくことが推測されます。
しかし、一方でSug1はプロテアソーム複合体の一分子でもあるため、核内でプロテアソームとして働いているのか、それが転写活性を関係あるのかといった問題をはらんでいます。そこで、プロテアソーム阻害剤を側坐核に注入してコカインに対する反応をみる実験をおこなっています。さらにSug1とdeltaFosBが結合して働くことがコカインに対するsensitization促進に影響していることが推測されることから、deltaFosBを免役沈降で落とすためのノックインマウスを作成中です。
元々の計画ではre-ChIP seqでしたが、deltaFosB抗体ではChIPが上手くいかないことがわかったため軌道修正しています。

Strategy for Future Research Activity

Sug1はプロテアソーム複合体の一部であり、Sug1単独でのChIP seqでは行動に影響する遺伝子に到達できない可能性が高い。そこでHA-deltaFosBを発現する遺伝子ノックインマウスを作製することを検討しています。ヘテロマウスでも実験できるため、通常のノックアウトマウスよりは実験に着手しやすいと考えられ、現在、学内での作製(サービスがまだ始まっていない)か共同研究などで予算内でおさめられるか検討中です。
それとは別に我々は新たにコカイン嗜好性とsensitizationを切り分ける別のメカニズムを見出したため、現在、そちらを中心に研究しています。恐らく側坐核の上流の神経ネットワークと考えられますが、その相関性解明にはまだ至っていません。

Causes of Carryover

deltaFosBのChIPが上手くいかない見通しが立ったため、ノックインマウス作製に注力することとした。そのための予算確保のため次年度に予算を回している。外注すると300万円以上するため、共同研究などの方策を模索している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Generation and validation of a floxed FosB mouse line2017

    • Author(s)
      Ohnishi Yoshinori N.、Eagle Andrew L.、Ohnishi Yoko H.、Cahill Michael E.、Wirtz Alexis J.、Robison Alfred J.、Nestler Eric J.
    • Journal Title

      biorxiv

      Volume: 1 Pages: 1

    • DOI

      https://doi.org/10.1101/179309

  • [Presentation] 長期間の抗酸化食物摂取は社会的ストレス後のコカイン依存症を抑制する2017

    • Author(s)
      大西克典、河原幸江、大西陽子、Neve RL、Vialou VF、Nestler EJ、西 昭徳
    • Organizer
      第90回日本薬理学会年会
  • [Presentation] Is it possible that non-attractive male mouse could get female mind?2017

    • Author(s)
      Ohnishi YN, Kawahara Y, Ohnishi YH, Nishi A
    • Organizer
      Neuroscience 2017
  • [Presentation] モテモテ大作戦!女の子にモテる方法、モテなくなる方法2017

    • Author(s)
      大西克典、河原幸江、大西陽子、西 昭徳
    • Organizer
      第28回マイクロダイアリシス研究会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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