2019 Fiscal Year Annual Research Report
Predictor of programming language learning success: The development of the inferior frontal cortex and the supramarginal cortex
Project/Area Number |
16K16650
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
細田 千尋 帝京大学, 医学部, 助教 (20578976)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プログラミング学習 / 脳可塑性 / プログラミング適正 / 拡散強調画像 / 安静時脳機能結合 / 縁上回 / 前頭前野 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、人口知能の普及とともにプログラミングへの関心が高まり、義務教育への導入も決定された。一方、プログラミング能力については、その特異性が研究対象としてこれまで探求されており、約半数の人において、プログラミングの素養がなく、プログラミング能力獲得が困難であることがこれまでの研究から示されている。 その原因について、脳神経基盤の観点から、プログラミング能力獲得可否の個人差を検討した研究は見られない。そこで本研究では、MRIにより取得可能な脳機能、脳構造情報によるマクロミクロの脳情報から、プログラミング能力獲得を可能にする神経基盤の解明をすることとともに、プログラミング能力獲得に伴う脳可塑性の解明を行うことを目的に実験を実施した。
まず、日常的にプログラミングを行い、プログラミング歴が5年以上の成人被験者20名(上級者)を集め、MRIを用いて、安静時脳機能、拡散テンソル画像、脳構造情報、を取得した。次に、プログラミング未経験者約70名を集め、12週間のトレーニングを実施した。トレーニング前後において、MRIを用いて、プログラミング上級者と同様のMRI計測を行った。
その結果、プログラミング上級者では、未経験者に比べ、有意に発達している脳構造特性があることに加え、安静時脳機能結合においても有意に機能連結が高い部位があることを明らかにした。さらに、学習ぐんにおいては、学習時間や学習意欲、ベースのIQに差がないにも関わらず、約半数の人はプログラミング能力を獲得できる一方、残りの人は、能力獲得ができなかった。これらの2軍について、事前にとった脳情報を比較すると、プログラミング能力が獲得できる人では、主に言語やおよび基底核が、能力獲得できない人に比べ発達し、機能連結も高いことが明らかになった。さらに、能力獲得に伴っては、プログラミングの上級者で発達していた部位と同じ部位の脳可塑性が見られた。
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