2016 Fiscal Year Research-status Report
ラオスにおけるCBETの実態と課題―コモンプールアプローチに基づく実証研究
Project/Area Number |
16K16666
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
森 朋也 中央大学, 経済学部, 助教 (30757638)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コミュニティ・ベースド・エコツーリズム / コモンプール / ラオス / 持続可能な開発 / コミュニティ・ガバナンス / 持続可能な観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度の研究実績は大きくは3つに分けられる。 一つ目は、科学研究費(以下、科研費)の受給以前に調査した内容をまとめ、中央大学経済学研究所の年報に投稿したことである(森朋也「ラオス中部プーカオクワイNBCAにおけるコミュニティ・ベースド・エコツーリズムの現状と課題:コモンプール・アプローチに基づく実証研究」中央大学『経済研究所年報』第48号,中央大学経済研究所,2016年9月)。当該の論文は、現地のコミュニティ・ベースド・エコツーリズムの概要、運営体制、制度設計についてまとめたものである。29年度は、アンケートのデータを踏まえて量的な分析を実施する予定である。 二つ目は、一つ目に挙げた業績の論文に関して英語でまとめ、TOSOK(Tourism Silences Society of Korea)の80th International conferenceで報告("An Empirical Study of the Community Based Eco-Tourism in Phu Khao Kouay NBCA, Lao PDR")を行ったことである。学会では有意義なコメントが得られ、また、東アジアの研究者との新たな人的ネットワークを形成することができた。 三つ目は、2017年2月23日から3月2日にかけてアンケート調査を実施したことである。具体的には、調査対象村落の一つのアンケートの回収を行った。もう一つの村落は、当初の予定を繰り上げて科研費の受給以前に実施した。現在は、回収したアンケートの分析を行い、論文としてまとめている段階である。また、28年度の現地調査を通して、さらなる研究の可能性が得られたため、29年度に向けて現地のカウンターパートととの打ち合わせも実施できた。 その他として、関連文献の収集を行い、先行研究と分析手法の研究も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現状では前倒ししたスケジュールで研究が進んでいる。この理由としては、現地のカウンターパートとのスケジュールの関係で、科研費の受給以前(27年度3月)に調査対象村落の一つに対してアンケート調査を実施したからである。もう一つの村落については、28年度の2, 3月に実施している。 現在は、拐取したアンケートの入力作業を進めており、入力が終了後に統計分析に入る。現状の研究で明らかになった点は、【研究実績の概要】で記述したように、中央大学経済研究所で公表し、また、国際大会で英語で発表している。現在は、学会でのコメントも踏まえ、追加的な調査の必要性があり、29年度9月に予定している現地調査の打ち合わせをカウンターパートとメールを通して行っている。 また、28年度は関連文献の収集を行い、先行研究および分析手法の研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、入力したアンケートデータをもとに統計的な分析を行う必要がある。また、二回のアンケート調査を終えて、当該の研究内容に関してさらなる発展の可能性があることわかってきた。スケジュールが計画以上に進んでいることもあり、今後は、統計的な分析結果を踏まえながら、追加的な現地調査を実施する予定である。研究成果の発表は、国内の学会で発表後、英語に修正し国際学会での報告を予定している。その後、30年度までに海外の査読付きジャーナルに投稿する予定である。
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