2018 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本における男性同性愛者と親密な関係性に関する研究
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16K16669
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
前川 直哉 福島大学, 総合教育研究センター, 特任准教授 (20739156)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 男性同性愛 / ジェンダー / セクシュアリティ / 親密性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に従い、2018年度には「異性愛に関する史料調査・分析」および「女性同性愛に関する史料調査・分析」を行った。 「異性愛に関する史料調査・分析」としては前年度に続き、主に1980年代の若者男性向け雑誌および書籍の定性的調査を行った。これらの雑誌では80年代を通じ、結婚と分離された「恋愛」を楽しむライフスタイルの提示が、消費扇動とともに行われている様子が明らかになった。新たに明らかにした点についてはすでにジェンダー研究者による研究会で報告したほか、次年度以降に学会報告・論文執筆等を行う予定である。 また「女性同性愛に関する史料調査・分析」としては、女性同性愛に関連する雑誌(ミニコミ誌・商業誌)の調査に着手した。その上で2019年度刊行予定の『クィア・スタディーズをひらく 第1巻』に「女性同性愛と男性同性愛、非対称の百年間」を執筆した。本稿では同じ「同性愛者」として語られるものの女性同性愛者と男性同性愛者の間には「同性愛」概念の登場した大正期以来、大きな非対称性が存在する点について、雑誌・会員制同人誌・新聞などを史料に具体的に検証した。 また『解放社会学研究』31号に風間孝氏による拙著『<男性同性愛者>の社会史――アイデンティティの変容/クローゼットへの解放』書評へのリプライを執筆し、セクシュアリティ研究とジェンダー研究の架橋についての必要性を論じたほか、『文芸春秋オピニオン2019年の論点100』に「根強い性差別 日本社会は「男の絆」を乗り越えられるか」を寄稿するなど、研究成果の広範囲への発信にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画の通り「異性愛に関する史料調査・分析」および「女性同性愛に関する史料調査・分析」を行うことができ、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は研究実施計画に従い、「女性同性愛に関する史料調査・分析」および「研究課題の包括的考察」を行う。必要に応じて「男性同性愛に関する史料調査・分析」「異性愛に関する史料調査・分析」も継続して行う。また年度内に学会大会での報告や論文等の執筆などを通じ、現時点での研究成果の発表を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
(理由)研究の進展にともない次年度により多くの旅費等が必要となる見通しとなったため、2018年度は物品費等の使用を制限し、次年度以降に使用することとした。 (使用計画)研究の進捗にともない必要となる書籍・史料の購入、および東京・京都等での研究会開催時に必要となる旅費等として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)