2021 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本における男性同性愛者と親密な関係性に関する研究
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16K16669
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
前川 直哉 福島大学, 教育推進機構, 特任准教授 (20739156)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 同性愛 / ジェンダー / セクシュアリティ / 親密性 / BL / 男性同性愛 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に従い、2021年度には引き続き「女性同性愛に関する史料調査・分析」および「研究課題の包括的考察」を行った。これまで収集した史料の調査及び分析を進めるとともに、新たに都市部と地方部など地域差の視点を取り入れつつ、研究課題の総まとめとなる考察を行った。 2021年度は研究の一環として『「テレビは見ない」というけれど:エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読む』(青弓社編集部編、青弓社)に「第9章 『チェリまほ』とBLドラマの現在地」を、また『クィア・シネマ・スタディーズ』(菅野優香編、晃洋書房)に「第6章 ゲイ男性と結婚・恋愛・家族:『二十才の微熱』と『ハッシュ!』を男性同性愛の歴史に位置づける」を発表し、男性同性愛者がどのような親密な関係性を希求してきたかの歴史的変容について、映像作品を通じた考察を深めた。とりわけ後者ではゲイ雑誌文通欄において希求されてきた関係性の変化についても論じ、本研究で明らかになった新たな知見を公表することができた。 また『男女共学の成立:受容の多様性とジェンダー』(小山静子・石岡学編、六花出版)において「第1章 福島県における男子校の女子受け入れ」を発表し地域とジェンダーの関連について、『季刊セクシュアリティ』101号(エイデル研究所)に「男性にジェンダー/セクシュアリティをどう教えるか」を発表し特権に無自覚なマジョリティとしてのシスジェンダーの異性愛男性について論じ、ジェンダー/セクシュアリティを個別のものとしてではなく総体として捉える視座からの研究を進めた。 ただし新型コロナウィルス感染症の流行拡大の影響により、当初計画からの遅延が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行拡大の影響を受け、学外での調査等が著しく制限されたこと、また勤務先における遠隔授業の実施等により業務が多忙化したため、一時的な遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も引き続き「女性同性愛に関する史料調査・分析」および「研究課題の包括的考察」を行う。また新たに得られた知見・視点を踏まえ、学会大会での報告や論文等の執筆などを通じ、最新の研究成果の発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症流行拡大の影響で県外出張調査を取りやめるなど研究計画を変更したため。
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Research Products
(4 results)