2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16K16690
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
秋吉 亮太 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (20587852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 哲学 / 論理学 / 直観主義 / ブラウワー / 証明論 / フッサール |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はブラウワー直観主義に関する哲学的研究と論理学的な研究を行い,そして竹内外史の論理哲学に関する研究のきっかけを掴んだ. まず,ブラウワーのバー帰納法の議論が現代証明論のツール(Ω規則)によって再構成可能であることを示し,これまで謎であった仮定に説明を与えた.2018年7月に査読付き国際会議Wollic 2018(コロンビア)に採択されて論文が出版された.次に,フッサールの論理哲学に関しては,植村玄輝准教授(岡山大学)とフッセリアーナの関連文献を引き続き精読してドラフトを執筆した.最後に,パリに研究滞在している間に,戦後日本を代表する竹内外史の論理哲学についてパリ第一大学哲学科アラナ准教授と議論を交わした. 論理学的な研究については,前年度に得ていた結果を論理学全般に関わる最大の国際学会であるLogic Colloquium 2018(Udine, Italy)のSpecial Sessionの招待講演で発表した.
研究期間全体の成果としては,ブラウワー直観主義を証明論的手法によって再検討し,新たな観点を見出すことに,一定の成功を収めたとまとめることができる.とくに,ブラウワーのバー帰納法の議論が現代証明論のツールであるΩ規則で解釈可能であることを示して,査読付き国際会議から出版したことは,特筆すべき成果といえる.また,この研究をきっかけとして,竹内外史の論理哲学の研究のきっかけを掴んだことは想定外の出来事であった.そして,研究期間全体を通じて国際会議で招待講演を行い,国際的な査読付き雑誌から(国際共著を含む)論文を複数本出版し,様々な国の研究者と討論をしたことは大きな成果といえる.2018年8月にはパリ第一大学科学史科学哲学研究所(IHPST)の学外所員に選出され,2019年2月には招聘研究者としてIHPSTにて研究活動を行なったが,これも本研究の成果である.
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