2018 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Research of University Administration and Religious Universities in Taisho era
Project/Area Number |
16K16707
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Research Institution | Den-en Chofu University |
Principal Investigator |
江島 尚俊 田園調布学園大学, 人間福祉学部, 講師 (80569913)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大学令 / 宗教系大学 / 大正期 / 昭和期 / 大学昇格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、①大学令の制定背景と公布以後の大学認可の実態、②宗教系大学における昇格時の質的変化の2点について調査をおこなった。 まず①についてであるが、当時の大学行政に関わっていた為政者(議員や官僚)の名簿作成を行った。名簿作成においては、前年度において作成した「文部省職員録人事データベース http://www.monbudb.net/data/select」を活用しつつ、国会図書館や各大学図書館での資料をもとにした。次に、大学令公布に大きな政治力を有していた原敬の国会答弁および講演録を網羅的に調査し、大学令の政治的位置づけについて明らかにすべく資料収集を行った。上記の2つの作業において、大学令の公布によって私立大学が公的に認可されることは、当時の私立学校においては悲願とされていた一方で、為政者側にとっては、大学という高等教育機関の国家管理が企図されていたことが明らかになった。 次に②についてであるが、大学令以前の法的位置づけ(=専門学校令認可)から大学令認可へ昇格するにあたって、1)組織、2)設備、3)人的構成、4)カリキュラム、5)予算規模がどのように変化したのかを、本研究で焦点化してきた宗教系大学(同志社大学、國學院大學、立教大学、龍谷大学、大谷大学、駒澤大学、立正大学、高野山大学、大正大学、上智大学、関西学院大学、皇學館大学)について資料調査を行った。 上記の資料調査ならびに作業をもとに、現在、研究論文および資料集の作成を行っており、本研究の成果としては報告書の刊行を予定している。
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