2019 Fiscal Year Research-status Report
19世紀末から20世紀初頭の欧米の「日本美術」愛好を支えたネットワーク
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16K16720
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
前崎 真紗子 (山本真紗子) 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (70570555)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 近代 / 日本美術 / 工芸 / 輸出 / 池田清助 / Thomas Joseph Larkin / 濱田篤三郎 |
Outline of Annual Research Achievements |
私事により2019年9月から2020年3月まで調査・研究活動の中断をせざるをえなかった。本来の研究計画では、2019年度に国内での長距離移動をともなう出張調査を計画していたが停止せざるを得ず、上記の期間は研究活動そのものをおこなうことができなかった。そのため、本年度は資料の収集と、ウェブ上で公開された資料などを使用しつつ、可能なかぎりの調査活動をおこなうにとどまった。そして、現在までの調査をまとめ、論文化する準備や実際に論文化をおこなった。 2019年度は、British Newspaper Archiveや国内のデジタル・アーカイブを用い、池田清助や彼の協力者であるThomas Joseph Larkin のギャラリーの記事を抽出する作業を前年度に引き続きおこなった。国立公文書館や京都府等の行政文書をもとにLarkinの日本でのお雇い外国人時代についていくつかの資料を確認したほか、英国の当時の新聞記事・広告から彼の運営したギャラリー the Japanese Gallery の展覧会などの情報を得ることができた。また、以前の調査で発見した稲田賀太郎の自筆ノートの翻刻作業をすすめ、内容の検討をおこなっている。池田の神戸店・東京店に関する調査を地誌類などからおこないいくつかの記事を確認しているが、とくに東京店については情報が少ないため、引き続き調査をおこなっていく。2020年度は、2019年度に実施できなかった出張を含む国内での調査を予定していたが、新型肺炎流行にともない今後の状況に見通しが立たないため、引き続きウェブでのデータベースの使用による調査を実施し、もし出張等が可能な状況になれば国内での調査を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述したように、私事により2019年9月から2020年3月まで調査・研究活動の停止と長距離の移動をともなう国内の出張の停止を余儀なくされた。外出や人と会っての調査が難しい状況が続いたため、論文化の準備や論文の執筆をもって研究活動としていた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は私事により、当初計画していた海外調査・国内調査の実施が難しくなった。今回生じた次年度使用額は、本来は出張旅費として計上していたものである。2020年春より研究を再開するが、現状では新型肺炎流行の影響により国内においても出張や遺族への対面調査が難しい状況にあるため、ウェブ上のデジタル・アーカイブの活用などをもって代替の調査にしたいと考えている。また、これまでの調査で得られた一次資料の翻刻などの作業を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究代表者は研究期間中の2017年5月と2019年10月に出産をしたことから、当初計画していた海外調査・国内調査の実施を中止した。今回生じた次年度使用額は、本来は出張旅費として計上していたものである。2020年春より研究を再開するが、現状では国内においても出張や遺族への対面調査が難しい状況であることから、ウェブ上のデジタル・アーカイブの活用などをもって代替の調査とし、それらの使用料の支出をおこなう。また、これまでの調査で得られた一次資料の翻刻などの作業を進めるため、データ整理補助のアルバイト代などの支出を予定している。
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