2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Netherlandish artists in early modern Germany
Project/Area Number |
16K16729
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河内 華子 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (20709539)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ネーデルラント / ドイツ(神聖ローマ帝国) / 芸術家 / 移動 / 近世 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究本年度は、前半に予定していた渡航を諸事情により取り止めざるを得ず、計画していたニュルンベルクおよびアウクスブルクの現地調査を行うことができなかった。その代わりとして、この2都市に関しては、画家組合に主眼を置いた浩瀚な史料集成を含む先行研究(Tacke(2001)、Brenner(2016, 2017)他)を入手できたため、それらを通して同地の芸術家コミュニティの全体像をある程度把握することができた。特に興味深い点として、この2都市においては組合の統制力が比較的強かったことが伺える反面、特例的に非組合員の外国人芸術家の活動を期間や制作ジャンルなどの条件付きで認めるケースが散見されることが挙げられる。また、昨年度までに調査を行った北部沿岸地域やラインラント諸都市の場合同様、ネーデルラントからの移民芸術家の中に、特にアントウェルペン出身のパトロンや画商とのつながりが認められる者が多いことも挙げられる。これらを総合して、2-3月にかけての短期調査では、ドイツ全域に対象を拡大して画家組合に関する資料を収集するとともに、アントウェルペンを拠点とする美術商一族(Snellinck、Caymox)に関して重点的な調査を試みた。
|