2018 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害者情報支援のための舞台芸術手話通訳技術研修カリキュラムの開発と作成
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16K16740
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
萩原 彩子 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教 (30455943)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 手話通訳 / 舞台芸術 / 聴覚障害者支援 / 演劇 / アクセシビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、①舞台芸術手話通訳モデル公演における手話通訳担当者へのインタビュー調査に関する研究発表、②アメリカボストンにおける舞台芸術手話通訳およびアクセシビリティ公演に関する視察調査、③日本国内における舞台芸術手話通訳の視察調査について、研究活動を行った。 ①については、手話通訳担当者が舞台芸術手話通訳を行うにあたっての困難点や工夫点に焦点を当て、舞台芸術手話通訳に特化した手話通訳プロセスならびに手話通訳技術を明らかにした。結果、舞台演出との協働などの事前の【環境整備】が重要であること、【手話通訳・翻訳技術】として具体的には「サブテキストも含めた的確な通訳・翻訳」や「話者の明確化」などの技術が必要とされること、【舞台上でのふるまい】として「視線の送り方」や「立ち方」などにも注意を向ける必要があることが明らかになった。なお、本研究結果については日本手話通訳学会にて発表している。 また②については、ボストンを訪れ、舞台芸術手話通訳付き公演の視察ならびに手話通訳担当者へのインタビュー、ノースイースタン大学手話通訳学科における舞台芸術分野の手話通訳指導に関する視察および教員へのインタビュー、ボストン市内におけるアクセシビリティ公演に関する調査研究を行った。本研究の結果については本学機関リポジトリにて発表している。 また③については、我が国で実施された舞台芸術手話通訳付き公演を多数視察し、手話通訳の形式(立ち位置や担当人数等)について調査した。これについては2019年度中に研究成果の発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に実施予定だった計画はほぼ順調に進めることができた。また、平成29年度に実施予定だったアメリカ視察については視察先の都合で平成30年度に持ち越す形になったが、無事終えている。 収集したデータの一部について分析に予想以上に時間がかかり、補助事業期間の延長を申請したが、成果報告を含め2019年度内には終了できる見込みであるため、この区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」③にて記載したデータの分析はほぼ終了しており、6月に開催される日本手話通訳学会に向けて成果をまとめているところである。また、残りの期間で、これまでの研究成果の総まとめとして、舞台芸術活動に特化した手話通訳技術に関する研修プログラムの検討と開発を行っていく。
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Causes of Carryover |
2018年度中に計画していたデータの分析が予想以上に時間を要したため、2019年度も引き続き研究を行うこととなった。また、まとめた成果について2019年度に開催される学会での発表を予定しており、旅費等として予算wの使用する予定である。
2019年度は最終年度であることから、これまでの研究成果をまとめ、舞台芸術における手話通訳に特化した研修カリキュラムを作成するが、必要に応じて舞台演劇における手話通訳に関する有識者に助言を仰ぐ予定であり、その場合謝金を支出することになる。
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