2019 Fiscal Year Annual Research Report
International development of Russian Constructivism: around El Lissitzky
Project/Area Number |
16K16746
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河村 彩 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (20580707)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リシツキー / ロシア構成主義 / グラフィックデザイン / ウノヴィス / イゾスタト / 建設のソ連邦 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は8月にドイツとベラルーシで調査を行なった。リシツキーの空間展示の復元を含めた多数の資料を所蔵するハノーファーのシュプレンゲル美術館でリシツキーおよび彼に影響を与えたクルト・シュヴィッタースの調査を行なった。リシツキーが学生時代を過ごしたダルムシュタットでは、芸術家コロニーを中心にドイツ工作連盟の初期の活動の調査を行なった。またベラルーシのヴィテプスクでは、現在では博物館となっている旧美術学校で、リシツキーやマレーヴィチらが結成した芸術グループ、ウノヴィスなど、リシツキーの初期の活動に関して調査を行なった。 これらの調査をもとに、7月に早稲田大学で行われた公開研究会では「絵グラフで見るソ連―イゾスタトによるグラフィック・デザインの冒険」と題し、図解統計印刷物の出版局であるイゾスタトから出版されたアルバムを考察した。2月に大邱の慶北大学で行われたJSPS二国間交流事業(「社会変動の時代における文化変容のダイナミクス:20-21世紀の転換期のロシア」研究代表者:野中進)主催の国際シンポジウムでは「本のインターメディア性:1930リシツキーのデザインによるフォトアルバム」というタイトルで研究発表を行い、リシツキーの後期のグラフィックデザインにおいて、いかにフォトモンタージュや映画のモンタージュを参照した技法が用いられているか明らかにした。 研究期間全体を通じては、ロシア国立図書館を中心としたイゾスタトの調査、2018年度にモスクワの複数の美術館で開催された大規模なリシツキーの展覧会での調査によって研究をおおいに進展させ、East Asian conference on Slavic Studiesでの発表、単著『ロシア構成主義』(共和国、2019)、論文集「革命の旗印の元でのロシア文化」(ベオグラード、2018)等で成果を発表した。
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Research Products
(2 results)