2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Research on Shigene Kanamaru as a pioneer of advertising photography in Japan for the purpose of reconstructing the history of modern photography and the history of modern design.
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16K16751
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鳥海 早喜 日本大学, 芸術学部, 講師 (20747993)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金丸重嶺 / ベルリンオリンピック / 新興写真 / 写真史 / 写真教育 / バウハウス / 広告写真 / 報道写真 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度であった今年度は、前年度までの成果発表として以下2件を遂行した。 1点目は、金丸重嶺と名取洋之助の比較調査についてである。白山眞理氏との合同企画により展覧会「金丸重嶺vs名取洋之助 オリンピック写真合戦1936」(2018.6.5~7.1 JCIIフォトサロン)を開催し、関連して6月9日には講演会を実施した。比較展示を行ったことによりデザイン及び商業美術と写真領域を往来していた金丸のデザイン性豊かな写真傾向と、ジャーナリストとして洗練された名取の作風を明示することが出来た。また、1936年当時のドイツの景観や文化などについても提示した。 2点目として写真史とデザイン史の関係性に関しては、日本写真芸術学会誌に論文「日本大学専門部芸術科写真科とバウハウスに関する一考察」を発表した。ここでは写真教育における主点設定の困難さを指摘した。バウハウスにおいては、<建築>を目指すべき主点として位置付けてカリキュラムが設計されていた。しかし、写真教育においては写真が包括する役割や意味が多様であり、ひとつの主点に向かってカリキュラムを組むことが難しく、写真教育独自の方法論が必要であるという結論を得た。本論文は、教育という観点から写真史とデザイン史の関係について考察する内容であった。今後はより商業的な視点から両史を研究していく予定である。 また、戦時中の写真界についての調査研究を進めるべく未整理であった戦時中及び戦後の金丸重嶺資料についても調査も進めた。本調査研究は今後も継続していく。
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Research Products
(3 results)