2017 Fiscal Year Research-status Report
新出資料を含む『夜の寝覚』を基点とした文学史再構築のための研究
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16K16758
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 早苗 (鈴木早苗) 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (10625122)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 『夜の寝覚』 / 平安後期 / 心理描写 / 欠巻 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、『夜の寝覚』に関連するものを中心に調査・検討を行うことを目指した。具体的には、資料を積極的に調査・収集するとともに、作品全体を捉えるための分析視点を獲得することである。しかし、昨年度の産休育休により、遅れ・不備などのあった勤務先の業務に従事する割合が大きく、そちらに励むこととなり、残念ながらあまりはかどらなかった。よって、『夜の寝覚』の欠巻部分に関わる資料の丁寧かつ精緻な読解に至ることはかなわなかった。 ただし、現存部分においては、さらなる考察・検討が必要であった問題点について、新たなる提言を行うことができたと考える。『夜の寝覚』には、この作品の特質・特徴としてしばしば言及されてきた長大な心理描写がある。この心理描写に〈くりかえし〉が見られることに注目し、緻密な検討を加えることで、それは〈くりかえし〉の手法と言えるものであることを指摘し、どのような効果をもたらすのか考察を行った。こうした分析・検討によって、『夜の寝覚』における心理描写がいかなる役割を担っているのか、その意義の一端を示すことができたのではないかと考える。この成果は(刊行は次年度になるが)平成30年7月刊行の『国語と国文学』に掲載予定である。 平成30年度は、改めて必要文献の資料収集にあたるだけでなく、多角的な視野と知見を得るべく、中古文学会をはじめとする様々な研究会に参加することも含めて、より幅広い活動を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成果を論文にまとめることはできたものの、『夜の寝覚』関連の資料の調査・収集に関しては、予定していた分まで行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当該年度に残すこととなった資料を網羅的に調査・収集すべく、文献調査やそれに基づく検討分析に励む。また、研究会への参加や発表に加えて、報告書・論文の作成を目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定していた分の資料調査を完全に行えなかったことが、次年度使用額が生じた大きな理由である。次年度は、当該年度の分を取り戻すべく、必要機関におもむき、収集に励みたい。
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Research Products
(1 results)