2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstructing Wilderness Ideology in American Literature
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16K16791
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山本 洋平 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40646824)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウィルダネス / アメリカ環境文学 / キャザー / ジュエット / リージョナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度2019年度は,第一に,本研究の総論「アメリカン・ルネサンスにおけるウィルダネス・イデオロギーの諸相」を精緻化する作業を進めた。第二に,当初の予定通り,ウィルダネスを中軸に据えるアメリカ環境文学の特異性を女性作家の視点から照射することに注力した。 第一の総論については,アメリカ文化におけるウィルダネスという概念は,ウィルダネス・アクトという法律をはじめとする量的に測定され規定される考え方と,文明によってその希少性が意識されたときにはじめて言語によって構築されるという認識論的に発見される考え方とのせめぎあいの内に立ち現れるものであることを,19世紀半ばから20世紀前半にかけての文学テクストを精査することで確認した。 第二の女性作家との関連については,キャザーを中軸に,ジュエット,ストウ夫人、シルコウら女性作家について考察し,出版予定の文学史の項目執筆を行った。ウィラ・キャザーの1910年代と20年代のとくに南西部を舞台とする作品を中心に,19世紀超越主義から20世紀モダニズムへと至るアメリカの自然観の変遷を考察した。研究成果としては,6月に北米ヴァージニア州で開催された17th International Willa Cather Seminarにおける“Unsettling Cather: Differences and Dislocations”での研究発表,9月にコロラド州で開催されたThe Western Literature Association Conference(WLA)における“Cather in a Time of Climate Change”と題されたパネルでのの研究発表を行った。これらの成果は2021年度までに順次論文として公表する予定である。
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Research Products
(2 results)