2018 Fiscal Year Annual Research Report
Emergency Survey on Endangered Pinghua Dialect in Shaoyang County of Hunan Province, China
Project/Area Number |
16K16829
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Research Institution | Chuogakuin University |
Principal Investigator |
王 振宇 中央学院大学, 商学部, 准教授 (70532191)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 漢語方言 / 湘語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究対象は中国湖南省邵陽県北部で話される「平話」という漢語方言である。この方言は周辺の湘語方言と著しく異なる特徴を数多く有している。平話はこれまで調査や記述が殆ど行われず、流暢に話せる話者も極めて少なくなっているため、消滅の危機に瀕した言葉であり、調査の緊急性がきわめて高いと考える。本研究の代表者はこの3年間、フィールドワークやデータベースの構築などの研究活動を通して平話の保存に努めてきた。また、平話と周辺方言に関する研究成果を学術論文や(国際、国内)学会における口頭発表などの形で社会に向けて発信してきた。最終年度の本年度は主に次のような内容を中心に研究を進めた。 ①フィールド調査:今年度の調査を通して次の2点が明らかになった。 a.昨年度以前の調査で得られた語彙、文法項目などのデータを整理したうえ、不確かな部分や誤って記述した部分について平話話者に確認してもらう作業を行った。b.平話方言の地域では、平話のほか、もう一種の湘語方言も話されている。その湘語方言の音韻、語彙、文法に関する調査を行った。これは、平話話者はすべて平話とその湘語方言のバイリンガルであるため、両者の異同や消長関係などを把握する必要があると考えているからである。 ②方言データの整理・分析:調査で得られた音声データを国際音声記号などで書き起こし、データベースの構築やデータの分析などの作業に取り組んだ。これまでのデータ分析を通して平話方言の特徴の一部を捉えられた。 ③国際会議における口頭発表:研究成果の一部(邵陽県平話の音韻的特徴)について国際学会(The 26th Annual Conference of International Association of Chinese Linguistics)で発表し、同分野の研究者と意見交換を行うことができた。
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