2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K16863
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
黄 美蘭 首都大学東京, 国際センター, 特任助教 (30747126)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中国人私費留学生 / アルバイトの目的 / アルバイトの肯定感 / キャリア意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、中国人男子私費留学生を対象に、アルバイトに従事した目的、アルバイトを通して得たと認識する肯定感及びアルバイトの経験が将来のキャリアに及ぼす影響について明らかにすることを一つ目の目的とし、また、進路予定の違いによって、アルバイトの目的、アルバイトの肯定感、キャリアへの影響はどのように異なるのかを検討することを二つ目の目的として調査を行った。中国人男子私費留学生5名を対象に、アルバイトの目的及びアルバイトの肯定感、将来のキャリア意識について、半構造化インタビューを行い、集まったデータをKJ法(川喜田,1967)を援用して分類・整理を行った。 その結果、中国人男子私費留学生は「金銭獲得」「日本社会・日本人との接触と理解」「自己実現」の目的を持ってアルバイトに従事することが分かった。また、アルバイトを通して、「日本社会・日本人の理解」「自己成長」「生活手段の獲得」「人間関係の形成」を肯定的に認識していることが分かった。アルバイトの経験が将来のキャリアに及ぼす影響については、「影響あり」と「影響の少なさ」に大別された。 さらに、対象者の将来の進路予定である「日本で起業」「日本で就職」「帰国して就職」別に、アルバイトの目的とアルバイトの肯定感、アルバイトが将来のキャリアに及ぼす影響について分類を行った。その結果、将来の進路予定が「日本で起業」「日本で就職」の場合、アルバイトの目的とアルバイトの肯定感が同様であり、「金銭獲得」「日本社会・日本人との接触と理解」「自己実現」の目的を持ってアルバイトに従事し、アルバイトを通して「日本社会・日本人の理解」「自己成長」「生活手段の獲得」「人間関係形成」を肯定的に認識している様子が窺えた。一方、「帰国して就職」の場合、アルバイトの目的が「金銭獲得」のみであり、アルバイトの肯定感は「日本社会・日本人の理解」「生活手段の獲得」であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由は以下の通りである。 ①質的調査の結果を異文化間教育学会第38回大会でポスター発表を行い、お茶の水女子大学人文科学研究第14巻に投稿したこと。 ②平成29年度は量的調査に向けて、質問紙を作成し、日本語学校や大学、大学院に在籍している中国人留学生を対象に質問紙を配布&回収したこと。 ③質問紙調査の結果の一部については、すでに中日教育研究協会2018年度研究大会(2018年4月22日)で口頭発表を行ったこと。 ④今後は、異文化間教育学会第39回大会(発表要旨投稿済み)、異文化コミュニケーション学会2018年国際大会(発表要旨採択済み)、留学生教育学会第23回大会で口頭発表する予定であること。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は集まった質問紙のデータを分析し、その結果を関連学会で発表し、関連雑誌に投稿する予定である。 具体的には、 ①異文化間教育学会第39回大会(発表要旨投稿済み)で発表 ②異文化コミュニケーション学会2018年国際大会(発表要旨採択済み)で発表 ③留学生教育学会第23回大会で発表 ④学会発表とともに、関連雑誌に研究成果を投稿
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Causes of Carryover |
平成28年度は出産・育児に伴い、研究を一時的に中断したため、予定通りに研究が進まなかったため、次年度の使用額が生じる。次年度に生じる使用額については、質問紙分析のための備品、物品の購入や学会発表のための参加費、旅費、宿泊費及び投稿論文の抜き刷り費用などに充てる予定である。
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Research Products
(3 results)