2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Research on the Effects of English Language Learning Support Sessions with International Student Mentors
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16K16876
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
歳岡 冴香 近畿大学, 文芸学部, 講師 (40708468)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 英語学習支援 / 第二言語習得 / 意味交渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、留学を志す英語学習者の支援を目指す英語学習支援プログラム(プロジェクトHELP!)が、大学生・大学院生の英語力向上に与える効果を実証的に研究することを目的とする。 同プログラムでは留学を目指しIELTS受験を目指す大学生・大学院生と参加を希望する留学生をペアにし、90分間の英語での学習セッションを合計8回実施する。分析対象とするデータは4種類(1.課題英作文、2.学習者によるアンケート回答、3.学習者によるセッションの記録、4.同意を得られたペアによる学習セッションの音声録音記録)である。このうち1.2.3のデータ分析に基づき、学習者が自覚した効果として、英語学習意欲や異文化への関心の高まり、英語学習効率の向上があることを平成28年度に発表した。 令和元年度には4つ目のデータを分析し、英語による会話が英語力向上に与える効果について考察、結果を報告した。具体的にはプログラム前後の変化を見るため、最初と最後のセッションの音声記録の録音に成功した6ペアを分析の対象とした。分析では学習者と留学生が会話の中で意味交渉を行う部分、特に相手の発話が理解できない場合に行われる「明確化要求」に着目した。分析の結果、以下のことが明らかになった。1)明確化要求は質問の形に加え発話の一部を繰り返す形で行われる、2)それが語彙や文法等の知識の確認、習得に貢献している、3)最初と最後のセッションを比較すると、学習者の側からは会話の流れを保とうとして明確化要求が減る傾向がみられる一方、留学生の側は意図的にそれを用いて教育効果を高める傾向がある。この成果は、2019年度大学英語教育学会関西支部大会で報告した。 本研究ではこのような学習支援が、学習者の動機や学習効率を高め、英語での会話が学習に寄与する様を明らかにした。英語教育学及び、今後同様のプログラムを展開する際に示唆を与えると考える。
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Research Products
(1 results)