2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating the relative contributions of working memory training and interactive book reading to vocabulary development in primary school pupils
Project/Area Number |
16K16877
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
林 裕子 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (10649156)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ワーキングメモリトレーニング / 読み聞かせ / 外国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学校中・高学年児童を対象に、児童参加型の読み聞かせ活動(interactive storytelling:IST)と集中的なワーキングメモリトレーニング(WMT群)を実施し、外国語の語彙力(英語力)の向上に与える効果を検証した。まず、小学4年生児童34名を対象に、約1ヶ月に亘り、外国語活動の授業時間にISTを実施した。その直前と直後に、対象児童の語彙知識の指標として英語力を測定するリスニングテストを実施した。読み聞かせ活動の純粋な効果を検証すべく、英語力に影響を及ぼすと考えられる認知要因であるIQとワーキングメモリの検査も行い、統計解析では制御変数として扱った。その結果、5週に亘る読み聞かせ活動を取り入れた外国語学習による英語力の有意な伸びは見られなかった。そのほか,事後テストにおいて,(WMT群)の英語得点の方が統制群の得点より高い傾向が示された。参加児童が学校で受けている外国語指導(「外国語」の授業)の時間数や内容はグループ間で統一されていることを踏まえると,有意水準に迫る(p = .05)英語力テストの得点差は,単に発達要因(「外国語」の授業における学習効果)ではないと考えられる。サンプルがワーキングメモリトレーニングの有無で条件が異なる2群から構成されていることを踏まえると,トレーニング効果の遠転移(=応用領域において見られる効果)の可能性が示唆される。参加児童を、ISTとWMTを単独で受けたグループと両方受けたグループ、そして、どちらにも参加していない統制群の4グループに分けたところ,ISTのみに参加したグループ(IST群)に比べ,WMT群の英語の得点は有意に高いことが示された。しかし,統制群との有意差は認められていないため,解釈には注意を要する。
|