2017 Fiscal Year Research-status Report
実践クラスルームコミュニティーにおける新人英語学習者の移行: 理論と実践の統合
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16K16891
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
長尾 明子 龍谷大学, 国際学部, 講師 (60570124)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 実践共同体 / 学習と熟達化 / EFLライティング / ジャンルアプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究課題・方法 RQ(a)「クラスルーム実践共同体」の生成と活動パターンの変化を可視化するために,学習者は,Wenger’s (1998)の実践共同体を構成する3つの相互的要素である「共同の事業」「相互の従事」「共有されたレパートリー」に関する10個の質問に回答した。RQ(b)の学習者がどのように新人からEFLジャンルアプローチライティング経験者へ移行するかを測定する。分析データは学習者が記述したエッセーデータとジャンル分析・考察シート及び事前・事後アンケートデータである。 2.結果 RQ(a)「クラスルーム実践共同体」の生成・機能および要素・活動パターンの変化に関して, Wenger’s (1998)の実践共同体を構成する3つの相互的要素である「共同の事業」「相互の従事」「共有されたレパートリー」に関するアンケートデータ10項目(5件法)のデータを15週間の前・中・後の3回収集した。分析結果から, 実践共同体の「共同事業」に関する要素を中心とし、EFLライティングクラスコミュニティーが発達している傾向が見られた。さらに、英語能力が高いグループと低いグループを比較すると、低いグループの方が、実践共同体の「共同の事業」と「共有されたレパートリー」に関する項目の伸びが大きいことがわかった。RQ(b)学習者は、ライティングに関する英語能力・知識・技術 をどのように新人から経験者へ移行するかを理解するために、学習者が記述したエッセー、ジャンル分析考察シート、及び事前・事後アンケートデータを分析した。ディスカッションタイプのエッセーの第二パラグラフと第三パラグラフの構成に関する理解が高まっただけではなく, 適切な語彙や文法を選択してエッセーを書くことができるようになった。特にモダリティーに関する機能の理解が高まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度と2018年度の研究の焦点は、RQ(b)学習者がどのように新人からEFLジャンルアプローチライティング経験者へ移行するかを測定することである。学習者の移行(成長や変化)を「(1)自身の英語能力・知識・技術、(2)実践共同体に参加する他メンバーとの関わり、(3)参加度合い」の3つに区分した。これまでの研究分析結果から「(2)実践共同体に参加する他メンバーとの関わり」と「(3)参加度合い」の変化に関しては、学習者が記述した自己内省文やアンケートデータを分析し数値により学習者の移行を確認することができた。しかし、学習者の(1)自身の英語能力・知識・技術に関する新人から経験者への移行を計測することは課題があった。学習者が記述したpre and post essayデータ、ジャンル分析考察シート、ライティングに関するアンケートデータを適切に評価する指標が必要となった。調査の結果、各データに対する評価基準や評価表を探すことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
去年度と同様,以下の研究課題を検証する。RQ(a)「クラスルーム実践共同体」の生成と活動パターンの変化を可視化するために,学習者は,Wenger’s (1998)の実践共同体を構成する3つの相互的要素である「共同の事業」「相互の従事」「共有されたレパートリー」に関する項目の変化を可視化する。RQ(b)学習者は、ライティングに関する英語能力・知識・技術 をどのように新人から経験者へ移行するかを理解する。 本年度は学習者の英語能力の高低別に調査グループをわけ、同じティーチング方法(Systemic Functional Linguistics, genre based approach of writing)を取り入れ、アンケート・自己内省文・エッセー・ジャンル分析考察データを収集する。これらを去年度使用した分析方法とコーディングを使い分析を行う。2017年度と2018年度収集のデータ分析結果を比較し、、(1)英語学習者がどのように新人から経験者に移行するかと、(2)EFLクラスルームコミュニティーの生成と発達パターンの傾向を確認する。
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Causes of Carryover |
計画的に支出を試みたが残高があった。物品費支出にさらに比重を置くべきであった。物品費支出および旅費支出を増加させるとともに,こまめな残高確認をすることで問題を解決する。
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Research Products
(12 results)