2018 Fiscal Year Research-status Report
20世紀前半ペルシア湾における「奴隷解放調書」の研究
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16K16896
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 助教 (80626317)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ペルシア湾 / 奴隷 / 奴隷解放 / 奴隷交易 / インド洋 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、5件の口頭発表を行い、1冊の共著と1本の研究論文を刊行した。特に、3月にリヨンで開催された "Capture, Bondage, and Forced Relocation in Asia (1400-1900)"(アジアにおける捕縛、拘束、そして強制的移転(1400-1900)) と題された国際ワークショップにおいて、"Bonded labour in the first half of the 20th century Persian Gulf: A quantitative approach"(20世紀前半ペルシア湾における拘束労働者――数量的アプローチ)と題して、これまでの研究成果に基づく方法論に関する報告を行い、多様な角度からのコメントを受けたことは非常に大きな成果であるといえる。現在、コメントを踏まえた論文執筆に取り組んでいる。また、同月には京都大学東南アジア研究研究所において、「20世紀初頭のペルシア湾におけるイギリス帝国と奴隷制ーー奴隷解放調書をめぐってーー」と題する報告を行った。これについても、特に政治学関係からの有益な助言を得ており、今年度は本研究を様々な角度から検討することができた。 また、イギリスにおける史料調査によって収集資料を拡大し、その分析作業が進展したことも重要な成果であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように、研究計画通りに研究を実施している。当初AHA大会でのセッション応募を予定していたが、リヨンのワークショップへの参加と報告とによって、これまで接触したことのない研究者たちと議論でき、予想外の収穫を得られた。よって、(2)おおむね順調に進展している。に該当すると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は研究最終年度に当たるため、成果の取りまとめ、およびそれに必要な調査を実施することとする。手始めに、日本アフリカ学会年次大会でフォーラムを組み、そのなかで本研究課題に関する報告を行うことになっている。
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Research Products
(6 results)