福島県中通り・浜通り地方を対象とした近世地域史研究とその基盤整備

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K16899
• Research Institution: Fukushima University
• Principal Investigator: 小松 賢司 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (00712621)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 福島 / 近世 / 村落 / 地域 / 史料

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、福島県の中通り・浜通り地方を対象として、①史料の所在確認作業および史料情報の集約を行ってデータベースを構築し、②史料の調査・整理などの研究基盤整備作業を行い、③これらの成果をもとにした近世地域史研究を展開させることを目的としている。
令和元年度は、①については、昨年度から引き続いて、史料情報のデータベース化をすすめた。県内各自治体が刊行している自治体史や各種史料集をもとに、そこに掲載されている史料の情報を整理・集約し、それらの史料について収蔵機関等と確認して、刊行されている目録などとの照合作業を行った。また所蔵先が不明な史料については、適宜所在の確認を行った。こうした作業を通じて、福島県中通り・浜通り地方の史料について、旧蔵地・現所蔵先・掲載史料集などの情報と結びつけたデータベースの構築作業を進めた。また、将来的な公開を見据えた利便性の高いデータベースの構築へ向けた試行錯誤を繰り返した。
②については、昨年度から引き続いて、三春中町（現三春町）の川又家の近世史料について、整理・目録作成・分析などの作業を行った。川又家文書の目録については、その一部をまもなく刊行することができる見込みである。
③については、②の成果に基づき、三春中町の川又家を用いた研究成果が、これもまもなく公開される見込みである。また①の成果に基づいた、おもに中通り地方を対象とする近世地域史研究についても、進展させることができた。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

昨年度から、史料情報の整理・集約・照合作業に想定以上に時間がかかり、研究計画が全体的に大幅に遅れてしまっている。今年度その状況の改善を試みたが、台風被害等により史料収蔵機関等が被災したこともあって、遅れを取り戻すには至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

台風被害等により史料収蔵機関等が被災したこともあり、作業の遅れが深刻なため、今年度を最終年度とする本来の計画から、研究期間を１年間延長することとした。