2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16905
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石田 俊 山口大学, 人文学部, 講師 (70711224)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 日本史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外様大名・一門大名・譜代大名それぞれの公武婚の有り様について公武双方の史料から検討し、近世公武婚の全体像を示すことを最終的な目標とするものである。 平成28年度は、特に萩藩毛利家・松江藩松平家を中心に検討を行い、史料収集や分析を進めた。萩藩毛利家については、武家側の史料としては山口県文書館所蔵毛利家文庫、公家側の史料としては京都大学総合博物館蔵勧修寺家文庫を主な材料とし、日記類をはじめとする縁組・婚姻関係史料を網羅的に閲覧・撮影し、武家同士の婚姻と、武家・公家の婚姻との共通点・相違点をあぶりだす作業を行った。また松江藩松平家については、享保期の藩主正室である天岳院の事例を中心に分析を深めた。 平成28年度の後半には、その二つの事例について研究論文として発表する準備を行った。平成29年1月27日には、山口県の近世史研究者が集まる「一の坂研究会」において萩藩毛利家の事例を報告して意見交換を行い、議論を深めた。今後平成29年度の早い段階に研究論文として執筆・投稿を行い、同年度中の公表を目指す。なお、これらの事例については、平成28年9月10日・17日実施の山口大学公開講座や授業などにおいてもとりあげ、研究と教育の連関をはかるとともに、論点整理の機会ともした。 平成28年度には、これらに加えて譜代大名の分析を開始している。譜代大名と婚姻を行った公家の史料を閲覧し、今後研究を深める上で中心となる事例を捜索している段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
萩藩毛利家・松江藩松平家の両事例とも、平成28年度中に学術論文として公表するまでには至らなかったものの、その目途をつけることができた。そのほか、交付申請書に記載の「研究の目的」や「研究実施計画」と照らしてもほぼ順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
先述の通り、平成29年度の早い段階で萩藩毛利家・松江藩松平家の両事例について執筆・投稿を行い、同年度中の公表を目指す。あわせて、譜代大名の事例についても分析を深め、平成30年度にはそちらを中心に検討を行いたい。
|
Causes of Carryover |
当初計画の想定に比べ、遠方への調査費用がかからなかった結果、若干の差額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
差額は図書購入費として使用する予定。
|