2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16905
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石田 俊 山口大学, 人文学部, 講師 (70711224)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 日本史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外様大名・一門大名・譜代大名それぞれの公武婚の有り様について公武双方の史料から検討し、近世公武婚の全体像を示すことを最終的な目標とするものである。 平成29年度は松江藩松平家の事例を中心に検討を行い、史料収集や分析を進めるとともに学術論文として公表することを目指した。まず史料収集については、研究代表者が松江市史の近世史部会部会員であることから、自治体史編纂事業と連携して史料収集を行った。公家史料としては、東京大学史料編纂所伏見宮家史料を中心に用いようとしたが、文書の状態から閲覧が出来なかったため、『伏見宮実録』(ゆまに書房)で補い、分析を進めた。その結果、享保期の松江藩主正室である天岳院の事例を中心として「松平宣維室天岳院の立場と役割」(『松江市史研究』九号、二〇一八年)を成果として公表することができた。このほか、現在進行中の『松江市史』においても、本研究の成果を還元する予定である。 萩藩毛利家の事例についても平成28年度に引き続き分析を深めて論文執筆を目指したが、史料が予想以上に多く、公表には至らなかった。平成30年度も鋭意検討を行う予定である。 なお、松江藩や萩藩の事例については、研究代表者が担当する山口大学の講義や、平成29年6月24日・25日実施の放送大学面接授業などにおいてもとりあげ、研究と教育の連関をはかるとともに、論点整理の機会ともした。 さらに、前年に引き続き、譜代大名の分析をも継続している。譜代大名と婚姻を行った公家の史料を閲覧し、今後研究を深める上で中心となる事例を捜索している段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、萩藩毛利家・松江藩松平家の両事例を平成29年度中に学術論文として公表することを目指したが、萩藩毛利家については予想以上に読むべき史料が多く、同年度中の公表には至らなかった。研究の見通しはたっているものの、公表まではなおも時間を要する可能性があり、やや遅れていると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
松江藩についての研究は一区切りを迎えたため、平成30年度は萩藩の事例を論文として公表することが第一の課題となる。まずはそれに注力して一定の目途をたてるとともに、譜代大名についても検討を行い、平成31年度に成果を公表したい。
|
Causes of Carryover |
平成29年度は論文執筆に時間をかけた結果、予定よりも史料調査などにつかう旅費が少なかった。平成30年度は関係する研究書の購入などが多額になることが予想され、それに使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)