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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Study of Sakuho and Ryukyus kingship in early modern Ryukyus

Research Project

Project/Area Number 16K16909
Research InstitutionOkinawa Prefectural University of Arts

Principal Investigator

麻生 伸一  沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (30714729)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords琉球史 / 冊封 / 王権 / 首里城
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、琉球国王の王位継承儀礼の最終段階である「冠船」(冊封)について、その意義と役割を明らかにし、そこから琉球王権の実態を解明することを目的としておこなった。具体的な研究内容および、意義、重要性は以下の通りである。
1.冊封をめぐる交渉について、最後の国王となる尚泰冊封の決定までの細かな交渉過程を明らかにすることができた。そのなかで、交渉仲介者である通訳の地縁・個人的な人的関係を元にした交渉が展開されたことがわかった。
2.冊封儀礼について中秋宴や重陽宴などの冊封諸宴を中心に分析した。首里城に隣接する龍潭での冠船ハーリーの運営は王府主導の行事であり、例年開催される那覇ハーリーのノウハウも活用されていることなど、儀礼・宴会の運営主体と運営方法について明らかにした。
3.冊封使来琉中の首里城儀礼について検討した。基本的に首里城北殿は冊封使向け、南殿は薩摩藩役人向けの接遇施設だったが、儀礼や宴会により冊封使も南殿に招待されるなど、接遇の相手によって首里城が柔軟に活用されていたことがわかった。また、各部屋・殿舎の飾り付け(床飾り、茶器配置など)について検討し、やはり接遇の相手に合わせた飾り付けをおこなっていたことを明らかにした。さらに、冊封時にも薩摩役人が首里城に招待され、冊封儀礼の一環としての接遇を受けていたことから、冊封とは、中国のみならず日本側も含めた儀礼構造を持っていたことを指摘した。
4.下級の諸士や百姓身分の技術職にとって冊封とは、臨時的に設定される王府の役職に就いて功績を積む機会となったことがわかった。昇進や功績の蓄積に不利となる場合、役職によっては職を辞すこともあり、そのため例えば冊封使に供する花火技術の場合、技術継承がスムーズにはいかなくなる事態も起こっていた。ここから、冊封を介した職人・役人の任用は、王府にとって課題となる状況も現出していたことがわかった。

  • Research Products

    (6 results)

All 2020 2019

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 琉球における冠船ハーリーの諸相-1838年を中心に-2020

    • Author(s)
      麻生伸一
    • Journal Title

      沖縄芸術の科学

      Volume: 32 Pages: 51,76

  • [Journal Article] 近世日本の対外政策と琉球2019

    • Author(s)
      麻生伸一
    • Journal Title

      歴史地理教育

      Volume: 901 Pages: 18,23

  • [Journal Article] 先王祭祀と琉球王権:琉球王国末期の廟制から2019

    • Author(s)
      麻生伸一
    • Journal Title

      沖縄文化

      Volume: 52 Pages: 21,42

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 王兄尚濬の祀りかた2019

    • Author(s)
      麻生伸一
    • Journal Title

      琉球沖縄歴史

      Volume: 2 Pages: 33,49

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 倭寇研究と琉球2019

    • Author(s)
      麻生伸一
    • Organizer
      稲村賢敷生誕125周年記念海域アジアと倭寇について考えるシンポジウム
  • [Book] 琉球国王尚家文書「火花方日記」の研究2020

    • Author(s)
      麻生伸一・茂木仁史(共編)
    • Total Pages
      270
    • Publisher
      榕樹書林
    • ISBN
      978-4-89805-220-4

URL: 

Published: 2021-01-27  

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