2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K16918
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
山本 祥隆 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (50610804)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 木簡 / 地方官衙遺跡 / 平城宮 / 平城京 / 年輪年代学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度にひきつづき、全国各地の遺跡出土木簡の実物熟覧調査、および木簡出土遺跡の実地踏査を精力的に行った。 具体的には、6月に木簡学会特別研究集会に参加し静岡県浜松市・伊場遺跡群出土木簡の調査等を行い、他にも12月に静岡市・尾羽廃寺跡出土木簡の熟覧調査および遺跡踏査、1月には山口市・周防鋳銭司跡出土木簡の熟覧調査および遺跡踏査、さらに同月には兵庫県神戸市内の遺跡踏査を中心とする調査などを行った。前年度までの成果と含めて、全国各地を広くカバーする範囲の木簡や遺跡のデータを収集・集積することができた。 また、上記のような調査を行うための基礎作業として、前年に引き続き全国各地の木簡出土事例を収集し、その成果を12月開催の木簡学会研究集会にて報告した。さらに、こちらも前年度以来の引き続きとして、広く木簡関係書籍・古代史関係書籍などを収集し、研究基盤の構築を進めた。 以上などを基に、調査・研究の成果を所属する奈良文化財研究所で保管する平城宮・京跡出土木簡にも援用し、様々なかたちでの成果発信を行った。具体的には、学会報告1件(上記木簡学会報告)、論文等3件のほか、複数の講演会やギャラリートーク等を実施できた。 他にも、新聞記事等(特に朝日新聞連載の「木簡の古都学」)など各種の媒体での成果発信に努め、また奈良文化財研究所が公開している木簡データベース「木簡庫」の内容貢進にも寄与することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は、上記のように全国各地の木簡および出土遺跡の調査等を精力的に行い、かつ研究基盤の構築や成果発信を並行的に進めることにより、多くの成果を挙げられたものと考える。 ただし、年度当初には想定していなかった発掘調査が夏期に急きょ出来したことなどにより、全体成果の取りまとめ等に若干の支障を来すこととなった。この点については、今年度の調査等によって保管していく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、前年度までに実施することがかなわなかった遺跡および出土木簡の調査を継続し、あわせて研究基盤の構築なども進めつつ、初年度からの成果の総括を行うことを予定している。 具体的には、奈良文化財研究所紀要やその他の媒体での成果発信を計画している。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、年度開始時には予定されていなかった発掘調査が年度の半ばに当たる夏期に実施されたことなどにより、年度当初の計画を十全には実行できなかった。 今年度は、前年度に遂行できなかった計画を消化しつつ、初年度以来の成果の総括に励みたい。
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Research Products
(4 results)