2019 Fiscal Year Annual Research Report
Persian Literary Activity and Court Culture of Persianate Societies in 13th-15th Centuries
Project/Area Number |
16K16922
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 修 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00733007)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ペルシア語文化圏 / イルハーン朝 / ティムール朝 / イスカンダル・スルターン / 『集史続編』 / 写本研究 / 文芸活動 / 宮廷文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、成果報告の場と位置付けていたイラン・ガズウィーン市での国際学会(2020年3月)が中止となり、計画の変更を余儀なくされたが、それ以外の史料収集および研究成果の公表については、順調に進めることができた。特筆すべきは、ティムール朝宮廷で作成された『イスカンダル・スルターンの選集』の調査・複写が許可されたことである。歴史書だけではなく、文学書や科学書から構成されるこの選集の分析により、学術活動の実態がより具体的に明らかになった。 1.史料収集 グルベンキアン博物館(リスボン)でペルシア語写本の調査を行った。この博物館には古いペルシア語の豪華写本が幾つも所蔵されており、本研究課題にとって重要な情報を得ることができた。 2. 史料校訂・訳注 前年度に引き続き、ティムール朝時代に編纂されたと考えられる『集史続編』の校訂・訳注作業を進めた。また、イルハーン朝時代に編纂された『オルジェイト史』の校訂・訳注の作成を、共同研究という形で進めている。 3. 研究成果の公表 イルハーン朝時代地方政権の宮廷における文芸活動の実態を明らかにした、The Hazaraspid Dynasty’s Legendary Kayanid Ancestry: the Flowering of Persian Literature under the Patronage of Local Rulers in the Late Il-khanid Period を査読誌 Journal of Persianate Studies に掲載した他、国際会議で報告するなど、外国語での成果発表を積極的に行った。日本語では、 千葉敏行編『1187年 : 巨大信仰圏の出現(歴史の転換期4)』(担当:第1章「セルジューク朝の覇権とイスラーム信仰圏の分岐」) という共著が刊行された。
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