2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K16923
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
川西 裕也 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (30736773)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 朝鮮史 / 古文書学 / 伝来論 / アーカイブズ / 歴史学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度には、朝鮮時代における古文書の廃棄・再利用の様相について検討をおこなった。まず、朝鮮時代の年代記・法典・文集・日記類（『朝鮮王朝実録』『承政院日記』『経国大典』『典律通補』『黙斎日記』『眉巌日記』『清台日記』『頤斎乱藁』『秋斎集』『文貞公遺稿』『無名子集』など）から、官庁や民間（士族家門・郷村組織・寺院）において、不要な文書がどのように廃棄あるいは再利用されていたのか、その事例を網羅的に抽出・分析する作業を進めた。ついで、東京大学総合図書館・韓国国立中央図書館・韓国学中央研究院蔵書閣・ソウル大学校韓国学研究院奎章閣・高麗大学校中央図書館において、官庁の行政事務記録である「謄録」「事例」「節目」、地方官の行政指針書である「牧民書」をはじめとする各種の未公刊史料を調査した。その結果、朝鮮時代、不要となった文書（休紙）のうち、国家機密にかかわる文書や政治の動揺をもたらす文書、効力を失った権利・財産関連文書はその存在を消滅させるために焼却されたが、それ以外の大半の休紙は、書籍などの紙類とともに、再生紙として漉き返されたり、壁紙や衣料品の材料として転用されていたことを明らかとした。また、朝鮮時代において紙の再利用が非常に盛んにおこなわれていたのは、当時、紙の高い需要に比べて供給が必ずしも安定していなかったためと推定した。以上の研究成果は、「朝鮮時代における文書の廃棄と再利用」と題して『韓国朝鮮の文化と社会』第15号に発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料調査・分析ともに順調に進展し、その研究成果を学術論文として公表することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、史料調査・分析を進める。研究成果は学会発表・論文投稿を通じて随時公表する。
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