2017 Fiscal Year Research-status Report
戦間期イギリス共産党における「コミュニスト・アイデンティティ」の形成
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16K16937
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
瀧口 順也 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (10596802)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イギリス史 / 共産党 / 20世紀史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究課題に関する史料の収集を進めるとともに、研究成果を報告した。 史料収集に関しては、北海道大学スラブ研究センター図書室が所蔵するコミュニスト・インターナショナル関連資料、マンチェスターのPeople’s History Museum 内にあるイギリス共産党アーカイヴで、1920年代の党教育および党内政治に関する史料を収集した。これらの作業により、1920年代のイギリス共産党の党員教育に関する史料については、網羅的な収集がほぼ完了した。 国際的な環境でフィードバックを受けることを目的として、クラクフ(ポーランド)で開催されたInterdisciplinary Conference of Slavonic and East European Studies で、研究成果の報告を行った。本報告はモスクワに存在した「ルックス・ホテル」を、1920年代のコミュニストにとっての公共圏として定義することで、公的な記録にはあらわれない非/反公的な空間が、コミュニスト・アイデンティティの形成に寄与していたことを明らかにし、イギリス共産党員のアイデンティティ研究にも還元されることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、当初の予定通りに史料収集・成果報告を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は最終年度となるため、当初の予定通りに、論文として研究成果を公表することを目指す。
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Causes of Carryover |
図書の購入について、入手を予定していた数点の文献について、購入手続きが完了しなかったために、僅かではあるが残余が生じた。当初の予定通りに、必要な文献の購入に充てる。
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