2019 Fiscal Year Annual Research Report
The Making of British Communist Identity during the Interwar Years
Project/Area Number |
16K16937
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
瀧口 順也 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (10596802)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イギリス史 / 共産党 / 20世紀史 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画から一年間の期間を延長したため、平成31年度は最終年度となり、これまでの研究の補完的作業を行うとともに、成果の公表を行い始めた。 必要な文献の購入を行うとともに、一橋大学経済研究所資料室で新たな資料収集作業を行った。また、これまでに収集した資料の整理とロシア語資料の分析作業を行うなかで必要が生じたため、研究補助員を一時的に雇用した。 研究成果の公表は、当初の予定通り国際学会で行うこととし、North American Conference on British Studies の年次大会(於:バンクーバー)に応募して採択された。この報告は事前に報告ペーパーの提出が必須だったため、予算の一部は英語論文の校閲費用として利用した。学会報告では、1920年代のイギリス共産党にとって、英国内の党幹部間の議論のみならず、モスクワでの国際的な規模での公的・非公式の人的交流が、イギリス共産党の理論的発展や組織戦略の立案に重要な意味をもっていたとの議論を提起した。このような観点から初期のイギリス共産党に照射するこころみは斬新なものであることを、学会パネルの討論者からも評価された。他方で、より綿密な考察の必要性も指摘を受け、今後に投稿論文にまとめる際に有益な機会となった。
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