2020 Fiscal Year Research-status Report
地方都市商店街の誕生と終焉に関する民俗学的研究:1920-2020
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16K16961
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
塚原 伸治 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (30735569)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 商店街 / 柳川 / 地方都市 / 商慣習 / 日常 |
Outline of Annual Research Achievements |
【商店街の終焉期と現在に関する研究】 2020年度においては、当初は、家族(あるいはイエ)についての考え方の変化や自営業に関する価値観の変化など、複合的要因による長期的な変化として商店街の衰退がもたらされたことと、新規出店が始まりつつある2020年前後の状況について聞き取り調査を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、現地調査を実施することができなかったため、代替的に電話などをもちいてコロナ禍における商店街の状況を把握することにつとめた。現地調査については、2021年度に可能となれば実施する予定である。
【商店街の歴史的展開に関する研究】 新型コロナウィルス感染症の流行に伴い現地調査を実施することができなかったため、事前に写真やコピーで入手していた『柳河新報』などの史料にもとづき、商店街の歴史的展開について分析を進めた。すでに分析を行っていた大正期の記事についても、商売とは直接関係のない記述にも目を配ることで、商店街が組織化される前夜の柳川における日常生活を明らかにすることができ、娯楽や大衆文化の文脈から商店街の成立について理解するという新たな視点を得ることができた。この視点からは特に、大正期に盛んになった運動会や景品付き福引など、娯楽的要素が強いイベントの実施を繰り返す中で商店主たちの連帯が強まっていき、それによって商店街組織の結成がうながされたことを指摘することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症流行によって、現地調査を実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の流行の状況をみながら、可能な限り現地調査を実施する。今後さらに状況が悪化し調査を実施することができない場合は、史料分析のウエイトを増すことで対応する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、予定していた現地調査を全く実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。2021年度は、感染状況をみながら可能な限り現地調査を実施し、聞き取り調査や史料調査を実施する予定である。
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