2018 Fiscal Year Annual Research Report
Theory of instutuion of Maurice Hauriou after World War I
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16K16989
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 慎司 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00468597)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 憲法学 / 制度 / 議院内閣制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度については,昨年度に執筆した論文の公表を通じて考えた「民主政の到来」という問題設定に関してさらに考察する論文を準備・執筆した。身分制が崩壊し,誰もが同じ人間であると認識する社会になると,実は権力への従属性が増すのではないかというのが個々での問題である。具体的にはコレージュ・ド・フランスのAlain Supiotが近年発表した著作を分析し,その著作の内容をFrancois Ewaldの古典的著作と対比することで,彼らが「数字によるガバナンス」または「福祉国家」という概念によって描こうとしている問題が,本研究でいう「民主政の到来」という問題と等しいことを描き,それが引き起こしている諸問題を描写した。 本研究は全体として,フランス第三共和政において活躍した,モーリス・オーリウの(現代風にいえば)「統治機構論」を扱うものである。それが,第三共和政において名目的存在であると考えられている大統領の活動が活性化した時代を背景として説かれたものであることを前提に,彼の議論の理論的背景を描くことを行った。交付申請書に「研究目的」として掲げたのもこのような内容であり,概ねその目的にしたがって研究を遂行できた。 他方で,交付申請書の「研究実施計画」には,「きちんとした論証が重ねられた本格的な論文」,ありていに言えば「ボリュームのある」論文を書くことを計画していた。自らの第二の博士論文にしたいという計画であったが,これも所属大学の紀要に4回に分けて連載する程度の「ボリューム」のあるものを執筆でき,一定の成果が挙げられたと考えている。
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Research Products
(1 results)