2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K16998
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
小寺 智史 西南学院大学, 法学部, 准教授 (80581743)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 規範の柔軟性 / 国際労働法 / 開発の国際法 / ASEAN / 国内実施 / 実質的平等 / ILO / FTA |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は主に4つの観点から研究を進めた。 第1に、研究成果の部分的な公表である。平成29年度には、平成28年度に実施したフランスにおける開発の国際法及び規範の柔軟性研究の現状分析の成果について、学会報告を行った。さらに、同報告に寄せられたコメントを反映し、最終的に論文として研究成果を公表した。 第2に、ILO諸条約における規範の柔軟性の発現状況の分析及び類型化である。同分析は先行研究及びILO諸条約の検討を通じて行った。この点の研究は順調に進行しており、その成果は平成30年度に公表する予定である。 第3に、ASEAN諸国における規範の柔軟性の国内実施の分析である。同分析については当初現地調査を想定していたが、各国国内法の理解に予想以上に時間を要したため、平成29年度は各国労働法の文献調査を実施した。特に、フィリピン、タイ及びマレーシアの労働法制の研究を行った。 第4に、FTAにおける国際労働基準の分析である。WTOのドーハ・ラウンドが停滞するなか、貿易と労働をめぐるルール形成はFTAに移行している。規範の柔軟性の意義及び射程を理解する前提として、国際労働法及び各国労働法制に対するFTAの影響を分析する必要が明らかとなった。そこで、主に先行研究に基づき、FTAにおける国際労働基準の分析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度については当初、ASEAN諸国での現地調査を予定していたが、実施することができなかった。その理由としては、ASEAN諸国の労働法制の分析及び理解に予想以上に時間を要したということ、及びFTAにおける国際労働基準と規範の柔軟性の関係という新たな主題が研究を実施する過程で生じたこと、という2点を指摘することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究成果に基づき、今後は主に3つの視点から研究を行う。第1に、ASEAN諸国での国内実施の詳細な分析である。この分析に際しては、平成30年度に現地調査を予定している。第2に、FTAにおける国際労働基準と規範の柔軟性の関係に関する分析である。平成29年度に着手したテーマであるが、国際労働法における規範の柔軟性の意義を明らかにすべく、さらに研究を遂行する。第3に、研究成果の公表である。平成30年度は研究の最終年度であるため、本研究の成果を学会報告及び論文として公表する。
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Causes of Carryover |
平成29年度は当初、ASEAN諸国での現地調査を予定しており、その分を旅費として計上していた。しかし、ASEAN諸国の労働法制の分析に想定以上の労力及び時間を要した。また、研究遂行上、FTAにおける国際労働基準の分析を行う必要が明らかになった。その結果、ASEAN諸国への現地調査を平成30年度に延期し、平成29年度は文献調査に注力することとした。そのため、当初の予定とは異なり、旅費よりも新聞雑誌費に支出が配分されることになり、さらに次年度の使用に一部充当することとなった。
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