2019 Fiscal Year Annual Research Report
Potential of Structural Reform of Corporation in Criminal Justice
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16K17009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲谷 龍彦 京都大学, 法学研究科, 准教授 (40511986)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 刑事司法制度論 / 法と経済学 / 法哲学 / 認知心理学 / 企業犯罪 / 比較法 / 訴追延期合意 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に引き続き、アメリカ合衆国・連合王国・フランス共和国における訴追延期合意制度についての比較法的調査・研究を行った。今年度は、アメリカ合衆国及び連合王国において、訴追延期合意制度の実務運用の確立に大きな役割を果たした実務家らにインタビュー調査を行う機会を得ることができ、変化の早い実務において核となっている思考方法や現場の哲学について理解する機会を得た。また、企業犯罪の分野においてアメリカ合衆国をリードする法学者らと望ましい企業犯罪法制について議論する機会を得ることにより、これまでの本研究計画の方向性について再検証することができた。前年度までの動態的なゲーム理論に基づく制度理解を利用した企業犯罪法制についての理論化は、実務家へのインタビューや研究者との上記国際交流を通じて一層進展した。同時に前年度から引き続き、本年度も心理学及び経済学研究者らとの研究交流も継続して実施している。 国内においては、企業犯罪法制について研究している国内の法学研究者及び企業犯罪対応の分野で我が国をリードする実務家有志と共に企業犯罪研究会を立ち上げ、企業犯罪について法領域及びそれぞれの専門性を超えた共同研究のプラットフォームを創出し、これまでの研究成果の妥当性等を検証する機会を得た。これにより、日本法として変化していく方向性についてもより現実的な手掛かりを得ることができた。 本年度は、国外において、日本の企業犯罪法制について研究報告する機会を複数回得ることができ、私見に対する有益なフィードバックを得ることができた。とりわけ、在米日本大使館で開催されたワークショップにおいては、アメリカ合衆国を代表する研究者・実務家とのパネルセッションに参加し、より良い企業犯罪法制のありようについての実りある意見交換ができた。 以上の研究の進展に基づき、本年度も連載中の学術論文等を公刊した。
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Research Products
(7 results)