2016 Fiscal Year Research-status Report
アメリカのゲーテッドコミュニティにおける「私的政府」と自治体の関係性に関する研究
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16K17057
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
菊地 端夫 明治大学, 経営学部, 専任准教授 (40515920)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ゲーテッドコミュニティ / 私的政府 / HOA / 官民関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アメリカのゲーテッドコミュニティにおける「私的政府」と自治体の関係性を調べることにより、ゲーテッドコミュニティ急増の背景にある自治体側の推進要因を把握するとともに、住宅所有者組合と自治体の関係の実態を明らかにすることにある。 初年度にあたる2016年度の研究実績は、第一に文献研究によってゲーテッドコミュニティに関する既存研究の整理を行うことができた。この作業により、主に都市社会学を中心にゲーテッドコミュニティの地域への社会的影響に関する研究と、主に行政法や法社会学を中心にゲーテッドコミュニティの主体であるHOA(住宅所有者組合)の法的位置づけと影響に関する研究を整理することができ、さらにゲーテッドコミュニティを官民関係から捉える本研究の視座とその位置づけを明確にすることができた。 第二に、一次資料の収集と入手可能なデータの収集・分析を行い、主にカリフォルニア州におけるゲーテッドコミュニティとそれを構成するHOA(住宅所有者管理組合)の歴史的な経緯をある程度明らかにすることができた。戦後、カリフォルニア州は主に移民の増加により人口が急増したが、官にあっては基礎自治体の法人化、民にあってはHOAの設立と、官民の“自治創造”の相互関係とその変化のダイナミクスを確認することができた。 これら本年度の研究活動で得られた知見の一部は、2016年10月に開催された日本政治学会2016年度研究大会で報告論文として公表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記した計画に基づいて予定通りに研究を進めることができ、中間の成果を学会発表することができた。またゲーテッドコミュニティはアメリカ以外にもアジアではフィリピンや中国、台湾に多く存在するが、本研究の内容について台湾の研究者と意見交換も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年度目となる2017年度は、ゲーテッドコミュニティにおける自治体とHOAの関係性について、①基礎自治体の中にあるゲーテッドコミュニティ、②未法人化地域にあるゲーテッドコミュニティ、③基礎自治体とゲーテッドコミュニティの領域が一致するゲーテッドシティ(カリフォルニア州に複数存在する)、の三種の事例についてヒアリング調査を実施する予定である。効率的にヒアリング調査を実施できるよう、研究協力者と綿密に連絡をとりながら計画を進める予定である。
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Causes of Carryover |
出張に係る経費を、当初の計画より日程を短縮化するなどして効率的な利用に努めたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度の執行時の節約で繰り越した額は、研究の加速や計画の前倒しのために用いる予定である。
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