2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Helmut Schmidt's "Ostpolitik"
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16K17073
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 教授 (50580776)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 冷戦史 / ドイツ外交 / 東方政策 / 国際関係論 / 国際政治 / 外交史 / ヨーロッパ政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる本年度は、まず前年度までに引き続き関連文献・資料の収集・分析に取り組んだ。とりわけ、研究実施計画に記載したように三つの視座のうちの「国内政治」の視座から取り組んだ。一方で、2018年9月と2019年1月に短期間ではあるがドイツにて現地調査を行った。ドイツではシュミットをはじめとするドイツ社会民主党(SPD)の政治家の個人文書や党関係の未刊行史料が所蔵されているボンのフリードリヒ・エーベルト財団の文書館や同地のボン大学図書館、そしてコブレンツの連邦文書館等で資料の収集・分析を行った。こうした作業と並行して、2018年12月にシュミット政権期を含む西ドイツの「東方政策」と「西方政策」に関連して、東西緊張緩和と北大西洋条約機構(NATO)についての報告を国際安全保障学会にて行い、またシュミット政権期の「東方政策」を含む1970年代前半から半ばの西ドイツの対ポーランド政策に関して、西ドイツの「国内政治」も対象に収めた論考に取り組んだ。さらには、シュミット政権期を含む西ドイツ外交の「西方政策」に関連して、在欧米軍削減問題に対する政策が「東方政策」と密接に関わりながら進められていた点を指摘した論考をまとめた。これらを通じて、シュミット政権期の「東方政策」が、前政権のブラントの東方政策からの継続の要素を含みつつ、1970年代に国際政治経済体制が変動していき、西側の結束を重視する方向へ政策をシフトしていく中で、東側政府との対話を維持しようとした点を明らかにした。
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Research Products
(4 results)