2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Impact of Inward Foreign Direct Investment on the Growth of Informal Firms: The Case of Cambodia
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16K17129
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| Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
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Principal Investigator |
田中 清泰 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター 経済統合研究グループ, 研究員 (30581368)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | インフォーマルセクター / フォーマルセクター / 企業登録 / マッチング推定 / カンボジア / ミクロデータ / 経済センサス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、事業所登録がインフォーマル企業の成長に与える効果を実証した分析の改善を行った。実証分析では、カンボジアのEconomic Census 2011とInter-censal Economic Survey 2014 のミクロデータをパネル化して活用した。2011年時点で事業所登録をしていない企業が、2014年に事業所登録をしたケースを特定して、フォーマル化が売上や雇用に与える効果を、マッチングの手法を活用して分析した。分析の結果、正式な事業所登録を行ったインフォーマル企業は、売上や付加価値を増やしていることが分かった。一方、労働生産性に大きな変化は見られなかった。事業所登録によって、事業の支出額は大きく増加していた。
実証分析を改善するため、様々な点を検討した。第一に、企業が事業所登録をしない理由として、法人税の支払いを逃れるという理由がある。カンボジアにおいて事業所登録のインセンティブを正しく理解するために、フォーマルな企業とインフォーマルな企業が支払う税金や非公式な支払いについて検討した。第二に、事業所登録の因果関係を識別するために重要なマッチングについて検討した。分析では、企業属性として雇用規模などを用いて、処置群と対照群のバランスを高めている。その指標として平均値の標準化差や分散比を計算して、具体的にどの程度バランスが改善しているのか議論した。
第三に、本研究課題で活用したカンボジア企業のパネルデータの利点を、先行研究と比較して明らかにした。先行研究で活用されているデータは、主にフィールド実験や都市圏のサンプル調査に基づいているため、先行研究で推定されたフォーマル化の効果は、一国全体における代表性を持つとは言えない。一方、本課題ではすべての企業・事業所を対象としたミクロデータを活用しているため、サンプルに偏りがなくフォーマル化の効果を検証できている。
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